ハードロックの栄枯盛衰を乗り越えた男が語りつくす、愛と憎しみの30年間

スキッド・ロウのヴォーカリストとして絶大な人気を誇ったセバスチャン・バック(Photo by Enzo Mazzeo)



ダフ・マッケイガンと一緒にホットヨガ

―本当ですか? どんな食生活ですか?

どんなふうにやっているかって? そうだな、奥さんがヴェジタリアン用のスパイシーブラッツを作ってくれる。肉は一切食わない。そうしたら、クローゼットで俺をあざ笑っていたチビTがまた入るようになってきた。何枚も持っているんだよ。俺は「もう一度これを着られるようになるぜ」って決めたのさ。かなり上手く行ってるから嬉しいよ。

―今でも7マイル(12キロ)走っていますか?

実は4マイル(6.5キロ)だ。でもミック・ジャガーは……あの男はどんな身体をしているんだ、一体?

―いや、ほんと、そう思います。

ミック・ジャガーは影響を受けた一人だけど、あれだけのエネルギーがあって、あれだけカッコよくて、あの年であんなふうにバンドを牽引しているなんて、本当に驚異的だよ。彼の健康法を検索すると、ツアーに出る準備をするときに、数週間前から毎日10マイル(16キロ)走るって書いてある。それが本当だとは信じがたいけどね。だってそれだけ走るってけっこう時間がかかるからさ。あと、仲良しのダフ・マッケイガンにも刺激を受けているんだけど、ダフは俺にホットヨガを紹介してくれたぜ。

―かなりハードな感じがします。

なかなか荒々しいぜ。俺が「なあ、どうしてその体型を保てるんだ?」とか聞いたら、ダフが「この住所に朝9時に来い」って。俺は「朝の9時だって?」って驚いたけど、とにかく行ってみて、ヤツと一緒にやってみた。それ以来ずっとやっているけど、これってかなり……トリップできる。

―最近ずっと聴いている音楽はなんですか?

きっと答えを聞いたら驚くと思うけどな。俺、ドナルド・フェイゲンを聴いている。ソロの方。『ナイトフライ』で度肝を抜かれて、全部レコードを揃えた。『カマキリアド』も、『モーフ・ザ・キャット』も。

―確かに。その答えは予想していなかったです。

だろ? 俺は大音量で意識を刺激するのが好きなんだが、それ以上に聴覚が大事なんだよ。2年ほど前に主治医に「セバスチャン、君の耳は両方とも健康だ。でも今から音量を下げないと、10年後には後悔することになるぞ」と言われてね。そこで音楽を聴くときの音量を下げたら、聴く音楽の種類まで変わった。自宅には膨大なアナログ盤のコレクションがあって、部屋ごとにクオリティーの異なるステレオを置いている。あっという間にスティーリー・ダンの音楽を聴く頻度が高くなったよ。

―私もスティーリー・ダン好きですが、フェイゲンのソロに関してはよく知らないんです。

それはもったいない。まずは『ナイトフライ』を聴いてみてくれ。あの類の音楽、つまりヨットロックが好きなら、絶対に気に入るから。フェイゲンのレコードは全部持っているよ。俺のようなオーディオマニアにとって、本当に聴いていて楽しい作品ばかりだ。かなり良い作品さ。

―では、最後にお聞きします。次の数カ月間、スキッド・ロウのオリジナルメンバー再結成の質問を何度も受けることになるでしょうが、それは苦痛ですか? 本当に再結成を望みますか?

自分の中で遮断しないとダメだろうな。最近のスキッド・ロウには好きなところが一つもない。でも、俺が他の人やその行動を変えられるわけもないよ。俺としては、23年間一度も同じ部屋で喋っていない連中を怒っても意味がないと思うだけさ。


Translated by Miki Nakayama

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