tricotが活動9年目にしてメジャーを選んだ理由とは?

─海外でピクシーズと対バンをしたり、大きいメディアにも出たりしていたので、インディペンデントな方法でもやっていけるのかなと思ったんですけど、どういう部分をメジャーで強化したいと考えていたんでしょう。

中嶋:私たちは海外がいいとか日本がいいとか別にないんですけど、日本の人たちに日本で活動していると思われていないところがあって。実際は日本にいる割合の方が多いし、日本でライブをやっているんです。海外って言葉のパンチが強いから、「日本にいるときあんの?」とか言われるようになって(笑)。

ヒロミ:私たちは日本での活動をメインにやっているつもりではいたんですけど、やっぱり伝わってないんやなというところもあって。インディなスタイルでやってきたので、周りの人も「tricotは海外志向なんかな」とか「日本のメジャーなフェスには出えへんと思ってた」とかも言われて。私たち的には一切そういうことはなくて、フェスにも出たいし、おもしろそうなイベントにも出たい。そういうところのズレもあったんです。メジャーと一緒にやることで、そういう部分でも広がるんじゃないかという期待もあります。もちろん海外も行きたいし、日本でもやれる活動はどんどんやりたいなという気持ちでいます。



─キダさんはそのあたりどう感じらっしゃいますか?

キダ: これまでは少人数でやっていたので、よく言えば独自路線なんですけど、悪く言えば閉鎖的な感じになっていて。届けられる範囲がすごく限られてしまった。メンバー的にはもっといろいろな人に知ってもらいたいし、日本でももっと活動をしたい気持ちがあったけど、なかなかそれができなくて。

─1番客観的な形でtricotの状況を見ていた吉田さんは、そんなバンドの状況をどのように捉えていたんでしょう。

吉田:海外でめちゃくちゃ売れているかと言ったら、そんな実感はなくて。好きと言ってくれる方はたくさんいらっしゃるし、ありがたいんですけども、海外だけで食っていけるレベルでは全然ない。それで満足していたらあかんなとも思うし、海外でももっと売れたい。そのために日本で1回基盤を作り直さないという気持ちがありました。海外を強化するために、日本も強化していかないとという想いが結構な割合ですね。バンドの年数だったり、メンバーの年齢もいろいろと考えると、このままではいつか終わってしまうと思ったので。

─これからもtricotというバンドを長く続けていくための選択でもあったわけですね。実際、avexとの付き合いを始めてみていかがですか。

中嶋:avex自体にはバンドのイメージがあまりなかったんですけど、話してみたり条件を聞いたりしていると、海外に対しても寛容やし、新しい物好きなところもあって、ちゃんと受け入れてくれる感じがするのであまり不安はないです。まだavexと組んで2ヶ月ぐらいですけど、レコーディングをしたり、プリプロに入ったりしている分には今までと変わらへん感じはあって。曲に対しても、あーだこーだ言われへんし、嫌な意味でのメジャーのやり方にはまだぶち当たっていないので、ダサい感じにはならずにいけるんじゃないかなと思っています。そこはメジャーで活動しても守っていきたいなとは思っています。

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