人間椅子、豊洲PIT公演レポート 30年間の歴史と30年分の進化

冷めやらない興奮の中、鳴り止まない拍手とアンコールに3人が再びステージに現れる。和嶋がツインネックの12弦/6弦ギターに持ち替えると、「月のアペニン山脈」を披露。鈴木も滅多に見せない指引きを魅せるなど、情緒溢れる人間椅子の深みに観客は落ちていった。この美しい1曲の存在で本ライブの厚みがさらに増したと言えるだろう。そこからアンコール2曲目の「地獄風景」で一転激しくヘヴィに駆け抜けると、観客はメロイックサインを掲げ熱くそれに応えた。

まだまだ帰れないとのダブルアンコールに再びステージに戻った3人は、「どっとはらい」を最後に披露した。〈正気の沙汰はおしまい どっとはらい どっとはらい 狂気の沙汰の始まり どっとはらい〉と歌詞にあるように、本ライブの「正気の沙汰」はここで終わるも、人間椅子の「狂気の沙汰」はここからまだ始まっていくという決意を見せた粋な演出で本ライブは終了。



人間椅子にとって今日は、メモリアルであり、また通過点に過ぎないのだ。30年間進化を弛まず続けてきた人間椅子にしか見せられない濃厚なライブであった。

12月13日には中野サンプラザで30周年記念ワンマンライブが開催される。30周年記念ワンマンライブも含め、日本の、いや世界のヘヴィを更新し続ける人間椅子のこれからの活動にますます目がはなせない。

セットリスト
1. あなたの知らない世界
2. 地獄のご馳走
3. 鏡地獄
4. 地獄の料理人
5. 盗人讃歌
6. 幻色の孤島
7. 無情のスキャット
8. 太陽黒点
9. いろはにほへと
10. 瀆神
11. 今昔聖
12. 地獄小僧
13. 地獄の申し子
14. 超自然現象
15. 針の山
EN1-1. 月のアペニン山
EN1-2. 地獄風景
EN2-1. どっとはらい

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