フジロック現地レポ Tempalayのアンサンブルが紡ぎ出す多様性の塊

Tempalayは27日(土)、フジロック2日目のRED MARQUEEに出演した。(Photo by Genki Ito)



押し寄せる多幸感と切なさ

しばらくステージ上で話し合いが行われ、ロスした時間を取り戻すために「曲の途中からやります」と小原が言うと、会場は笑いと歓声に包まれた。「今日のために映像を作ってくれたPERIMETRONには申し訳ないんですけど……。ごめんな、隕石落ちたところから演るわ」とPAブースのPERIMETRONに呼びかけ、「カンガルーも考えている」のエンディングからスタートし「新時代」に繋ぐ。こんなトラブルさえユーモアと機転で乗り切り、オーディエンスとの一体感へと繋げていく彼らの姿に思わず目頭が熱くなる。メンバー脱退などの試練を乗り越え、ここまでやってきたという絶対的な自信と信頼関係が今のTempalayにはあるのだろう。


Photo by Genki Ito

続いて最新作より「そなちね」。先日、藤本に第一子が誕生したことなどをキッカケに、生と死、無垢なものへの憧憬と変わりゆくものへの諦観を、映画『ソナチネ』にインスパイアされながら書き上げたという、バンドのメイン・ソングライター小原の楽曲の中でも屈指の作品だ。Kenshiroのワウベースと、トム・ヴァーレイン(テレヴィジョン)を彷彿とさせる小原の痙攣ギター、アクセントを微妙にずらした藤本のドラムが変態的なアンサンブルを構築し、それが美しいメロディとの強烈なコントラストを生み出してゆく。エンディングでは、繰り返される転調に多幸感と切なさが同時に押し寄せてきて、「このまま時が止まってしまえばいいのに……」とさえ思った。

最後は、GAPとのコラボでも一躍有名になった「革命前夜」。サビのブレイクを全員でハンドクラップしながら、ファンにとってもメンバーにとっても、悲願だったフジロックのメインステージを一緒に乗り切った達成感を噛みしめたのだった。



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