フジロック現地レポ キング・ギザード&ザ・リザード・ウィザード、抱腹絶倒のメタル・ショー

中盤では過去曲からもいくつか披露され、『Polygondwanaland』(2017年)収録の10分を超えるダーク・ファンタジー的な大曲「Crumbling Castle」では終盤のカオティックに減速→加速→ファジーに爆発していく演奏に合わせて横殴りの雨が降り出すというオマケ付き。スチュが12弦ギターを手にとってからの「Robot Stop」「Gamma Knife」のノンストップな変速プログレ・サイケ、そして『Murder of the Universe』収録の「The Lord of Lightning」で見せつけたストーナー(というかブラック・サバス?)成分などなど、音楽ジャンルもオーディエンスの語彙力も次々と無効化していく構成力/起爆力/演奏力はちょっと尋常じゃない。


Photo by Kazushi Toyota


Photo by Kazushi Toyota

その後は再び『Infest the Rats’ Nest』にシフトチェンジし、フジ時点でまだ世界で4回しかプレイされていなかった「Venusian 2」と、スラッシュ・メタル三部作(と、勝手に呼んでます)の先陣を切った「Planet B」で無数のダイバーが飛び交う中でフィニッシュ。まさか今年4月に出たばかりのブギーなニューアルバム『Fishing For Fishies』から1曲もやらないとは想定外だったが、次回の来日時には一体どんなモードになっているのかまったく読めないバンドだけに、後に「キャリア中もっともラウド」と呼ばれたかもしれない今のセットを体感できたのは嬉しい誤算だった。この日彼らの音楽にはじめて触れたフジロッカーのうち何百人かは、きっと、「面白いメタル・バンドだったなー」と惑わされたはず。

体感5分、抱腹絶倒のジェットコースター・プログレッシヴ・メタル・ショーではあったが、思い返せば代表曲の「Rattlesnake」も聴けてないし、KGLWのパフォーマンスを味わい尽くすには50分じゃ全然足りません。単独来日公演、熱望!!



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