咲良菜緒、ラムシュタインのライブで「心」を燃やしたいと願う

ミニストリーを認知している咲良菜緒

―ミニストリーを聴いて「間違いがない」って面白いですね(笑)。「すぐわかる」っていうのはドラムの感じが大きいのかもしれない。

ああ、そうかもしれない。

―これは安心して聴けるって感じですか?

はい。王道なので驚かないというか、「あ、いいじゃん」っていうライトな感じです。

―このバンドはミニストリーと言います。

あ、はいはい! 知ってます! なんで知ってるんだろう? 「ねちょねちょしたのが好き」って言うようになってから、誰かに教えてもらったのかもしれない。Zilch感がすごいですよね。こういうバンドのライブに行ったことがないから、お客さんがどうやってノッてるのか想像がつかない(笑)。ぼーっともできるし……あ、私はこういう音楽でぼーっとできるんですけど、暴れてるのも想像できるし、どういう状態になってるんだろう? これ系のバンドのライブに行ってみたい。

編集部からのお題 その9
RAMMSTEIN  /  RADIO


―では、続いてのインダストリアル・メタルにいってみましょう。

あ、これはさっきのミニストリーよりも好きですね。

―どのへんが?

声かなあ。ミニストリーも好きだけど、ああいう声はたまに入ってくるぐらいがいいのかも。こっちのほうが染みる感じ。

―菜緒さんの好きなボーカルもちょっと傾向がはっきりしてきましたね。ねちょねちょ感とはまた別のベクトルの。

あるのかなあ? 気怠い声とか、ちょっとミステリアスな感じは好きかも。

―これはドイツのバンドで、ドイツ語で歌ってます。

ドイツ!? ドイツ語が全然わかんないし……ドイツって何かありましたっけ? ビールとソーセージしかわからないや。


Photo by Takuro Ueno

―まあ、間違ってはないですけど(笑)。

これ、バンド名聞いたことあるかな?

―ラムシュタインです。

ラムシュタイン? 聞いたことないや(笑)。

―これは5月に出た新譜からの曲です。このMVが公開されてまだ1カ月ぐらいなんですけど、既に1400万回再生されてます。

ヤッバ! 好きですね、これ。

―このボーカルも菜緒さん的には抑揚がないと言えばないですよね。

うん、こういうの好きです。突き抜けてるのも好きですけど、落ち着くのはこっちですね。何もないときに聴きたいかもしれない。電車の中で聴きたいのはこういう感じかな。ワクワクしたいときはクセのある曲を選んで……って、これがクセがないっていうのも変ですけど(笑)。

―変ですよ(笑)。前回、僕がバロネスが好きって言ったら、「これをいいって言う人は相当変な人だ」みたいなこと言ってましたけど、ラムシュタインを電車で落ち着いて聴きたいっていう人も十分変ですからね!

(手を叩きながら)あっはっは! でも、まだ電車で聴いてないですよ!

―そういう問題じゃないです(笑)。

(続けて流した曲「アウスレンダー(異邦人)」を聴きながら)こういうイントロの曲、109でよく流れてそう(笑)。

―あっはっは! まあ、わかりますよ(笑)。

それかちょっとローカルな、ヤンキーチックな服屋さん(笑)。

―話は変わりますけど、彼らはライブの演出もすごいんですよ(とLoudwireの動画“Top 10 Craziest Rammstein Moments”をYouTubeで見せる)。

何やってんの!? 火ぃ出とるし! あっはっは! ハンパない! 規模がヤバい! これ、日本だと絶対許可してくれなそう。

―くれないでしょうねえ。

うわ、ヤバいって! 海外って感じ~。うわ! あっつぅ~。火ぃ好きねえ! これはメンバーがクレイジーなんだ! 口から火が出てるし! ヤバーい! めっちゃ面白い!

―これがラムシュタインです。

音楽はそういう感じじゃないのに、火を使うところがいいよね。体のなかで燃えてる感じを出しとる。音でわかりやすく表現するんじゃなくて。

―うん、わかりますよ。

ここで火を使う感じ、共感できる! ヘドバンするタイミングじゃないし、普通の人は「なんで火なの?」って思うかもしれないけど、わかっちゃう。普段自分の周りにいないような仲間がこの場にはたくさんいて、ラムシュタインが普段は着火できないものに火をつけてくれるっていう。そういうのをみんなで共有する場なんですよね、きっと。

―自分の代わりに火を燃やしてくれてるっていう。

「そうなんだよ! そこで燃やしてほしかったんだよ!」っていう。

―これはもう、ライブを観に行くしかないんじゃないですか?

行きたい! 本当に行きたい! 私、ドイツ語でインタビューするから! 

―今、ヨーロッパツアーが始まってますよ。

せめてアジアに来てくれんかなあ。

―バンドが要求する演出ができないっていうのが大きいのかもしれないですね。

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