フジロック現地レポ ELLEGARDENの「物語」は終わらない

ELLEGARADENは26日(金)、フジロック1日目のGREEN STAGEに出演した。(Photo by Tsukasa Miyoshi (Showcase))

フジロックフェスティバルには11年ぶりの出演となるELLEGARDEN。雨模様の天気の中、GREEN STAGEには多くのオーディエンスが集結。2019年はALLiSTERのジャパンツアーへの出演、MIYAKO ISLAND ROCK FESTIVALの出演に続き、三度目のステージとなる。昨年の再始動後、目にする機会が限られているバンドだけに、いやが上にも期待が高まる。

赤と青を基調にしたライティングの中、いよいよ4人がステージに姿を現す。1曲目は「Fire Cracker」。シンコペーションを効かせたリフに加え、歪みと荒々しさを湛えたサウンドで、ギターが縦横無尽に動き回る。続いては「Space Sonic」。ヴォーカル、ギター、ベース、ドラムのみの編成なのに、なぜこれだけ多彩な表現が一曲の中で打ち出せるのだろうか。ダイナミックな展開、ヴォーカルのスケール感に圧倒される。3曲目は「Missing」。それまで抽象的なヴィジュアルだったものが、後方のスクリーンにELLEGARDENのロゴが映し出されると大きな歓声が。ドラムがタムを絡めてジワジワ盛り上げつつ、ミドルテンポで歌とギターをしっかり聴かせるパワーポップ風味の濃い一曲。「Missing」の連呼とともに、どこか切なさを感じさせる独特の余韻がある。

それにしても細美武士(ヴォーカル、ギター)の「歌」は耳にすっと入ってくる。「高架線」では<南北へ続く高架線/この先にはきっとあると/ささやいてる>という歌詞が刺さる。続けて披露した「Supernova」の<She’s gone>のフレーズもそうだが、切なさや甘さがほんのり漂う細美の歌詞とヴォーカルメロディはELLEGARDENの武器の一つだ。キャッチーな「Pizza Man」で駆け抜けたかと思うと、奥行きのある「風の日」でエモーショナルな響きを表現。

ここでMCが入る。細美が「11年ぶりフジロック。今年出演させてくれてどうもありがとうございます。ヤベー最高だな」と話すと、他のメンバーに振る。
高田雄一(ベース)「ベースの高田です。今日はお足元悪い中ありがとうございます。最後までよろしく」
生形真一(ギター)「11年前、一回休止してから、またここに立てるなんて思ってもいなかった。しかも今日はこんなにたくさんの人ーーもちろんフェスを楽しみに来た人がほとんどだろうし、俺たちを観に来てくれた人たちもいると思う。ほんとに感謝してます。ありがとう!」
高橋宏貴(ドラム)「こんばんは。ちょっと『高橋』って言ってもらっていいですか。せーの『たかはしー(観客の声)』。……ホントみんなありがとう。こんな絶景が残りの人生でまた見れるとは思ってなかったです。フジロックありがとうございました。みんなもありがとう!」
4人の表情はなんとも言えない充実感に満ちていた。

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