全米の大麻合法化を阻止する3人の共和党議員

大麻合法化の法案を米民主・共和両党が支持――だが一部の共和党上院議員を突破しない限り、法案はまたも水泡に帰すことに。(Photo by Erik Mcgregor/Pacific Press/ZUMA)



マリファナには「冷淡」なリンゼー・グラハム議員

リンゼー・グラハム議員率いる上院司法委員会の状況は、上院銀行委員会と似たり寄ったりだ。大麻関連法案の大半は――銀行取引法案に限らず――同委員会の承認なしでは上院本会議にかけられることはない。なぜなら、どの法案も規制物質法と絡んでいるが、これは司法省の管轄だからだ。

マリファナに対するグラハム議員のこれまでの態度は、おおむね冷淡だ。2015年の医療用マリファナに特化したCARERS法には支持の立場を表明したが、これによりマリファナの再分類が行われ、マリファナ合法州に対する追加保護が盛り込まれた。だがそれ以降、グラハム議員はSAFE Banking修正法案などの法案に――これまで何度も歳出法案に盛り込まれてきたが――ことごとく反対票を投じてきた。今年4月、グラハム議員はRoll Call紙の取材に対し、SAFE Banking法案には「さほど乗り気ではない」と語った。また2016年のPOLITICO誌の取材では、嗜好品としてのマリファナには反対だと述べている。マリファナ支援団体NORMLは、WEBサイト上でグラハム議員にC評価を与えている。

グラハム議員率いる委員会に大麻法案が提出された際、彼がどのような行動に出るのかはわからない。多くの賛成派は、共和党上層部がさらなる圧力をかけない限り、グラハム議員が単独マリファナ法案を検討することはないだろうと考えている。彼が選出されたサウスキャロライナ州は特定治療用として微量のCBD使用を認めてはいるが、医療用にせよ嗜好品にせよ大麻取引は盛んではない。現行の連邦銀行取引規制で大麻ビジネスに支障をきたしている有権者を除けば、グラハム議員がSAFE法修正を見直す理由はないに等しい(この記事の取材でグラハム議員の事務所に再三コメントを求めたが、返答はなかった)。

だが、仮に大麻法案が上院委員会で承認されたとしても、必ずしも本会議にかけられるわけではない。上院多数党院内総務のミッチ・マコーネル議員が上院議会を牛耳っているからだ。彼が個人的に可決を望む法案しか、本会議にはかけられない。彼も昨年は大麻合法化に積極的だったが――ケンタッキー州は昔から産業用ヘンプの産地で、マコーネル議員は州の経済活性化をもくろんでいる――本人いわく、大麻の規制薬物基準を下げるつもりはないらしい(この記事の取材でマコーネル議員の事務所に再三コメントを求めたが、返答はなかった)。

賛成派の中には、大麻法案がヘンプ業界の活性化につながるのであれば、多数党院内総務も態度を変えるだろうと考える者もいる。現在も、ヘンプ栽培農家は銀行口座の開設や、本来なら適用されるはずのプログラムを利用できない等のトラブルを抱えている。素人の目には、大麻も産業用ヘンプも全体としてはほとんど同じだからだ。合法薬物と第1群薬物の違いは、カンナビジオール(CBD)とテトラヒドロカンナビノール(THC)の含有量だが、万が一農家が栽培する作物のCBD、THC含有量が高かった場合、銀行は責任を負いたくない。だから銀行やクレジットカード会社はヘンプ産業とは一切関わらないようにしているのだ。今月初めにはマコーネル議員自らケンタッキー州のヘンプ栽培施設を視察に訪れ、銀行サービスの格差を目の当たりにした。銀行を「納得させなくてはいけない。銀行側にきちんと説明してゆきたい」と語った。

Translated by Akiko Kato

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