ジャック・ホワイトが語る、ザ・ラカンターズ再結成からディランとの交流まで

ー彼とはどういった付き合いですか? 2人でいる時はどういったことについて話しますか?

彼のルーツは俺やThe Greenhornes、その他大勢のガレージロッカーたちと同じさ。音楽の趣味も似てて、キャプテン・ビーフハートについて延々と話したりしてるよ。彼はいいやつさ。俺がミュージシャン仲間と会うのは、大抵はフェス会場でだ。週に4〜5本ライブを観に行ってた頃が懐かしいよ。5秒置きに声をかけられるような状況でさえなきゃ、あの頃みたく毎晩のように出かけるんだけどな。残念ながら今はそういうわけにはいかないけど、人と話すのは好きさ。俺がレンガとモルタルで出来てるようなインディペンデントのレコード店にこだわるのは、まさにそれが理由なんだ。実りある会話っていうのは、ああいう場所でこそ生まれるべきなんだ。そこから友情が生まれ、絆が育まれていく。どれくらいの数のバンドがレコード店で生まれたか知ってるかい? 音楽の趣味が似た人間同士がそこで出会い、一緒にジャムるようになる。どんなことがあっても、そういう場所を絶やしてはいけないんだよ。

ー現在リル・ナズ・Xの「オールド・タウン・ロード」が全米を席巻しています。あの曲についてどう思いますか?

素晴らしい曲だね。確かあれって、「フェル・イン・ラヴ・ウィズ・ア・ガール」と同じで1分47秒くらいしかないんだ。それじゃラジオでかけてもらえないって散々言われたけど、実際はそんなことなかった。あの曲も同じケースだね、見てて気持ちがいいよ。

ーザ・ラカンターズはWoodstock 50に出演することになっていますが、今でもその予定に変更はありませんか?

俺自身よくわかってないんだ。会場の使用許可が下りなかったとか何とかって話は誰かから聞いたけど、俺は何も知らされてない。ああいう話を聞くたびに、自分がフェスの主催者じゃなくて良かったって思うよ。ものすごくストレスが溜まりそうだからさ。あんな大変そうな役回りを進んで引き受ける人間がいるなんて、俺からすれば信じられないよ。トイレの設置ひとつとっても、ものすごく面倒くさそうだもんな。

ーナッシュヴィルに蒸留酒製造所とコンサート会場を新たに建設しようとしているボブ・ディランはあなたの友人ですが、とりわけ印象に残っている彼の発言などはありますか?

たくさんあるよ。彼は俺にとって最高の師匠であり、良き友人でもある。彼と話す機会を持てただけで、俺は幸運だよ。それ以外のことはどうでもいいと思えるほどにね。

ー世間が知らない彼の一面などはありますか?

彼はとても奥深い人間だ。ほんの少しでも名声の味を知った人間なら、誰でも非人間的なことのひとつやふたつは経験してるはずさ。俺自身、誰かと顔を合わせた時に相手が臆してるのを感じることがあるよ。でも自分がどう振る舞うべきなのか分からないんだ。ディランのような人は多分、そういう状況に直面すること自体を避けるんじゃないかな。

ー彼と曲を共作したことはありますか?

その質問には答えられない。答えてあげたいけど、できないんだよ。

Translated by Masaaki Yoshida

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