フルカワユタカの表現と考察「2005年前後にフェスにいた人たちをどう楽しませるのかが大事」

YouTuberとの共演で気づいたこと

―やってみてどうでしたか?

彼は喋れるし、頭もいい人なので、インタビューとして面白かった。あと、向こうがアマチュアだっていうことも大きくて。ライターさんとは違って、こっち側から教えることもあるし、逆に「そう見えてるのか」って教わることもあったり。普段、アマチュアの人としゃべる機会もないから新鮮でしたね。でも、見せ方に関して向こうはプロだし、面白いセッションでした。

―本来なら、しっかりとした音楽知識のある人がアーティストからいい発言を引き出すのがいいインタビューの在り方だけど、あれはまた別でしたね。言ってることがたとえトンチンカンだとしても、素直な気持ちをぶつけられることでアーティストの受け答えがいつもと変わってくるっていう。

本当にそう。ある種、ドキュメンタリーっぽくなるっていうか。知識あるもの同士のほうがフィックスした会話になってフィクションになっていくけど、あれだけ考え方が違うとむしろドキュメンタリー感が出てくるっていう。あの空気感は絶対文字では表現しきれないですからね。

―今、フルカワさんとしてはそういう新しいことに挑戦していくモードになっているんですか? 

どうなんだろう? 少なくとも昔とは全然違うと思います。新作のタイトルは『epoch』だけど、エポックメイキングなことをしようっていう意識はないかな。

―そこと音楽活動は結びついていないけど、振り返ってみると明らかに違う。

全然違いますねえ。今日も番組の収録でスタッフにギターを倒されたけど、ひと言も怒らなかったですもん。場の空気は確実にピリッとしましたけど。

―昔だったら?

昔だったらヤバいですね。2005、6年だったら、相手の謝り方次第じゃ「もう歌わない」って言ってたと思う(笑)。

―あっはっは! それぐらい変わったんですね。

そうですね。よく周りから「丸くなった」って言われるけど、昔が尖ってただけなのかなって。昔は尖ろうとしてたし、みんな若いときはそうだろうから。だから根本は変わってないけど、いろんなことを許容できる年齢になったっていうことだと思うんですよね。

―そういう時期を経て、今が一番安定している。

うん、今は安定してると思いますよ。尖ってた頃はイライラすることだらけだったし、むしろイライラすることを探しに行ってるような状態だったけど(笑)、今はいろんな判断をマネージャーに任せられるようになったし、全然変わりましたね。

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