スティーリー・ダン、ウォルター・ベッカーの機材がオークションに出品

1993年8月18日、ニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデンのライヴで演奏するスティーリー・ダンのウォルター・ベッカー(デイヴィッド・コリオ撮影/Redferns)

ジュリアンズ・オークションが開催するオークションでは、スティーリー・ダンの独創的な1977年のアルバム『彩(エイジャ)』のギターや、ヴィンテージのレコーディング機材が目玉商品となる。

米オークションハウス、ジュリアンズ・オークションが10月18日と19日の2日間にわたって開催するイベントにスティーリー・ダンの共同創業者・共同作曲者のひとりであり、ギタリストでもある故ウォルター・ベッカーの音響機材のコレクションが出品される。エレキギター、音響機器、レコーディング機材をはじめ、様々なアイテムが出品予定のオークションは、カリフォルニア州ビバリーヒルズのスタンダード・オイル・ビルディングと、ジュリアンズ・オークションのホームページで同時開催される。

オークションには、スティーリー・ダンの独創的な1977年のアルバム『彩(エイジャ)』のアルバム冊子にも登場する1957年製Fender Duo-Sonic、Sadowsky Signature Model #1、Bacon & Day Senorita S.6 Model、1936年製D’Angelico Excelなどのギターやベースが出品される。各々のアイテムは、3000ドル(およそ32万円)から1万5000ドル(およそ162万円)ほどの価値が見込まれている。楽器に加えて、アンプ、スピーカーキャビネット、レコーディング機材なども出品される予定だ。

「当オークションハウスは、故ウォルター・ベッカーが愛した楽器や機材の類いまれなるコレクションを皆様にお届けできることをとても嬉しく思っています」とジュリアンズ・オークションの社長・CEOを務めるダーレン・ジュリアン氏はコメントを発表した。「唯一無二のサウンド、好奇心、知識、オーディオマニアとしてのレベルの高さを誇り、自らの音楽と創作を支えてくれる最高のサウンドスケープを見つけるため、楽しみながら実験を続けたウォルター・ベッカーは、伝説的な存在です。多岐にわたる今回の良質なアイテムのセレクションは、ウォルターのキャラクターを余すところなく反映するだけでなく、ウォルター・ベッカーが彼の世代においてもっとも才能に溢れた存在となり、すべてのミュージシャンと音のスペシャリストたちからも尊敬されるようになった証でもあります。」

ベッカーは2017年9月3日に食道がんでこの世を去った。スティーリー・ダンのバンドリーダーとして活動を続けてきたドナルド・フェイゲンは、米ローリングストーン誌に宛てた追悼文で共同創業者であり、バンド仲間でもあったベッカーに向けてこのように綴っている。「ウォルター・ベッカーは1967年にバード大学で出会って以来、私の友人であり、作曲活動のパートナーであり、バンド仲間だった。とびきり頭が切れる男で、ギタリストとしても、作曲者としても最高だった。自分を含む人間の本性についてはシニカルで、いつもばか笑いさせてくれた。」

Translated by Shoko Natori

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