シャーロッツビル衝突で死亡ひき逃げした被告、強制収容所見学時に「子供のように楽しんでいた」

裁判の判決後、米バージニア州シャーロッツビルの一般地方裁判所を後にするジェームズ・フィールズ被告。(Photo by Steve Helber/AP/Shutterstock)

2017年、極右集会に抗議する集団に自動車が突入し女性1人が死亡した事件で、デモ参加者のヘザー・ヘイヤーさんを死亡させ、複数のデモ参加者を負傷させたとして有罪判決を受けていたジェームズ・フィールズ被告が米国現地時間15日、州裁判所で終身刑および419年の禁固刑を言い渡された。

フィールズ被告(22歳)は抗議運動の参加者に車で突っ込んだ張本人。これにより多数が負傷し、32歳のヘイヤーさんが死亡した。公判中、被告はデモ参加者に向かって故意に車を走らせたことを認めた。2018年12月にヘザーさん殺害に関して第1級殺人罪で有罪とされた他、加重故意傷害およびひき逃げでも有罪判決を受けていた。

バージニア州シャーロッツビル巡回裁判所のリチャード・E・ムーア判事は終身刑に加え、フィールズ被告に対し48万ドルの罰金を言い渡した。「本日の判決は、あなたの行いに基づくものです」と量刑審問でムーア判事は述べた。「魔が差した行動ではありません」

15日の量刑審問では、多くの被害者や遺族らが証言を行った。2017年当時、フィールズ被告に轢かれて自らもけがを負ったスター・ピーターソン氏の姿もあった。「運転席にいたときと違って、今のあなたは腰抜け同然です」と、量刑審問中のフィールズ氏に向かって言った。

フィールズ被告は2017年8月に行われた極右団体ユナイト・ザ・ライトの集会に参加していた極右メンバーの一人。集会に参加するために、わざわざ生まれ故郷オハイオ州マウミーからやって来ていた。公判で検事は、高校時代にフィールズ被告が強制収容所を見学した際、「まるでディズニーワールドに来た子供のようだった」という同級生の証言を引き合いに出し、被告には人種差別主義者や反ユダヤ主義者としての経歴があり、暴力沙汰も起こしていたと主張した。

シャーロッツヴィル事件に関し、フィールズ被告が終身刑を受けるのはこれが2回目。去る6月、フィールズ被告は連邦裁判所でヘイトクライムに対する罪で有罪判決を受け、仮釈放なしの終身刑が言い渡されていた。検察との司法取引により、29件のヘイトクライムで有罪を認める代わりに、死刑求刑は免れた。

Translated by Akiko Kato

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