スカーレット・ヨハンソン、物議を醸したキャスティング論争に物申す

「今は社会的な境界線がたくさん引かれていて、芸術分野にまでポリティカル・コレクトネスが反映されているわ」と、As If誌のインタビューでヨハンソンは述べている。

「これは私が働く業界のトレンドだと思うし、社会の中にあるさまざまな理由から、そういうトレンドが必要なこともわかっているけど、これが芸術にまで悪影響を与えてしまうと不快に感じることがあるの。だって芸術は何ものにも制限されるべきじゃないと思うから」

As If誌でのヨハンソンの挑戦的な発言は、『Rub & Tug』のキャスティング後に彼女が出した声明でも感じられる。この声明で「ジェフリー・タンバー、ジャレッド・レト、フェリシティ・ハフマンの代理人からコメントをもらうよう彼らに伝えてほしい」とヨハンセンは述べていた。タンバーはドラマ『トランスペアレント』で、レトは映画『ダラス・バイヤーズクラブ』で、ハフマンは映画『トランスアメリカ』でトランスジェンダー役を演じている。

しかし、それでも反発が続いたため、ヨハンソンはゲイ&レズビアン雑誌Outへの声明で、熟考を重ねたのちに『Rug & Tug』を降板することを決めたと明かした。「私がダンテ・テックス・ギルに配役されたことで生じた倫理的な問題を鑑みて、この作品プロジェクトへの参加を謹んで辞退すると決めました。トランスジェンダーに対する文化的理解が今後も促進されるでしょうし、最初に出した声明のあと、このコミュニティからたくさんのことを学び、あの声明が無神経だったと気付きました」と、2018年7月にヨハンソンが発表した。

さらに、ヨハンソンはAs If誌のインタビューで、「パフォーマンスにトレンドがあるかは知らないけど、現在のキャスティングにトレンドがあるのは明白よ。今日、演技とは何かについて、またスクリーン上で誰にどんな役を演じてほしいのかについての議論が多くなされていて、それが重要視されているの。だからこそ聞きたいのよ、じゃあ演技って何なの?って」とも語っている。

Translated by Miki Nakayama

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

MOST VIEWED人気の記事

Current ISSUE