プロレスラーMAOは何故、高木三四郎を自動車で轢くのか?

「飯伏の影」を払拭し、DDTの歩みをその先の未来へと向ける

もちろん、追求するのは“デタラメさ”だけではない。試合を観たことがある人ならわかるように、通常ルールの“強さ”においても非凡な才能を示すMAO。特に、マイク・ベイリーとのタッグチーム「ムーンライト・エクスプレス」は、飯伏幸太&ケニー・オメガの「ゴールデン・ラヴァーズ」を彷彿させる存在として、高い評価を得ている。


(C)株式会社DDTプロレスリング

MAO:ベイリーとのタッグ結成当初から、ゴールデン・ラヴァーズと比較されてしまうことは覚悟の上でした。光栄なことだと思うけど、彼らを意識すれば、ただの焼き直しになってしまいますからね。そんな形で“あの頃のDDT”を取り戻したいとは、僕もベイリーも思っていないですし。

選手としてのプロレス観も、どちらかといえば地味なほうだとも。

MAO:YouTubeプロレス動画を検索すると、歴史を問わず様々な試合が見つかるじゃないですか。その中でDDTをのぞいて特に好きだったのが、90年代のみちのくプロレスでした。TAKAみちのくさんやディック東郷さん、獅龍(カズ・ハヤシ)さんたちが在籍していた頃の。地味に見えてしまうのかもしれないですけど、しっかりとしたテクニックで観客を魅了する試合には、やっぱり憧れますね。アクロバティックな技が持てはやされる風潮がひと段落したら、再び90年代のようなスタイルに回帰していくはず。その時までには、プロレス界の中心にいる存在になりたいんです。


Photo by Takuro Ueno

そう言われてみれば、デビュー4年目。まだ22歳なのである。DDTの急激な変革期とキャリアがシンクロしていることもあるのだろうが、MAOというプロレスラーの構成要素は、年齢に対して過剰に濃密で、深い。余談ながら、プロレス以外に興味を持っているのは音楽。ビートダウン・ハードコアなる、ごくマニアックなジャンルにハマっているという。

MAO:上京してからバンドもやってたんですよね。パートはギター。ドロップダウンチューニングとかしちゃうような(笑)。でも、デビューが決まってから忙しくなって続けられなくなってしまって。ライブハウスには、今でも行きますよ。僕がレスラーだってことがバレてて、モッシュのときとか周りの連中が本気でぶつかってくるから、試合のときよりも危険を感じたりして(笑)。

当人曰く「素の自分は至って常識人。だからこそ高木さんたちのような“デタラメさ”に惹かれてしまうのかも」というMAO。その爽やかな笑顔に隠された芯の強さと狂気が、DDTを“デタラメ”な新世界へと導いていく。


<大会情報>

Wrestle Peter Pan 2019
2019年7月15日(月・祝)
東京・大田区総合体育館
開場12:30 開始14:00
※全席無料(DDT公式FC「DDT UNIVERSE」への加入が必要)

【MAO選手参戦カード】
○第七試合 30分一本勝負
クリス・ブルックス&高梨将弘 vs MAO&マイク・ベイリー

【その他主要カード】
○メインイベント BLACK OUT presents KO-D無差別級選手権試合
<王者>遠藤哲哉 vs 竹下幸之介<挑戦者>
○セミファイナル 総研ホールディングス presents KO-Dタッグ選手権試合 60分一本勝負
<王者組>佐々木大輔&高尾蒼馬 vs HARASHIMA&ヤス・ウラノ<挑戦者組>
○ドラマティック・ドリームマッチ 30分一本勝負
青木真也 vs 男色ディーノ
○初代O-40王者決定戦~ウェポンランブル 60分一本勝負
高木三四郎 vs スーパー・ササダンゴ・マシン
他全11試合予定

【団体公式サイト】
DDTグループの生中継&過去の試合はこちら。
DDT UNIVERSE(月額900円で初月無料)
https://www.ddtpro.com/

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