「パンク」史上最高のアルバム40選

左からビリー・ジョー・アームストロング(グリーン・デイ)、ラモーンズ、パティ・スミス(Photo by Ebet Roberts/Redferns/Getty, Ian Dickson/Redferns/Getty, Dick Barnatt/Redferns/Getty)



2位 ザ・クラッシュ『白い暴動』(1977年)


1976年4月3日、ロンドンのパブロックバンド101ersは、悪名高いセックス・ピストルズと対バンした。101ersのギター/ボーカルだったジョー・ストラマーは当日について、「未来を目の前に突きつけられた」と回想している。その1年後、しゃがれ声のストラマーがボーカルを務めたザ・クラッシュのデビューアルバムは、イギリスチャートでTop 20入りを果たした。「白い暴動」「ロンドンは燃えている」「反アメリカ」等における、社会に対する憤りとストリートのリアルさを体現したフックは、若気の至りと見なされがちだったブリティッシュ・パンクを、体制に立ち向かうためのダイナミックなツールへと昇華させた。

ストラマー、そして彼と曲を共作したギタリストのミック・ジョーンズは、どちらも決して生粋の論客ではなかった。バンドに政治的思想を持ち込むように提案したのは、バンドのマネージャーであり狡猾な策士だったバーニー・ローズだった。しかし、ベーシストのポール・シムノンとドラマーのテリー・チャイムズのリズム隊を得たことも手伝って、彼らの狙いは見事に功を奏した。アメリカでは後に発表された複数のシングル曲を追加収録した上で、本作は1979年にCBSからリリースされた。オリジナル版が轟かせた暴動の爆音は、今なおシーンにこだまし続けている。







1位 ラモーンズ『ラモーンズの激情』(1976年)


1976年4月、ラモーンズが6400ドルという低予算でデビューアルバムをレコーディングするにあたって、彼らが掲げたアジェンダはシンプルだった。「不要なものを徹底的に排除し、本質にフォーカスする」トミー・ラモーンは1999年にそう語っている。しかし、アメリカのメインストリームとは決して相容れない筋金入りのアウトサイダー4人組がどれほどシンプルさにこだわったとしても、決して色褪せることのないパンク史上最重要アルバムを定義することは今なお容易ではない。

コウノトリを思わせる風貌のボーカリスト、ジョーイ・ラモーンは「ブリッツクリーグ・バップ」の冒頭で「ヘイ、ホー、レッツ・ゴー」という魔法の言葉を唱えてみせた。ギタリストのジョニー・ラモーンは「ビート・オン・ザ・ブラット」「ラウドマウス」において、ディック・デイルとボー・ディドリーからブルースの要素を取り除いたような鋭いスタッカートギターを鳴らす。ベーシストで作詞の大半を手がけたディー・ディー・ラモーンは、自らの経験に基づいた様々なトピック(ドラッグ、絶望、詐欺)を電報のようなウィットで綴った。

ジミ・ヘンドリックスのセッションにエンジニアとした参加した過去を持ち、本作を共同プロデュースしているドラマーのトミーは、簡潔さと純粋さに徹底的にこだわった。「俺たちは世界一ビッグなバンドになれると思ってた」ジョニーはそう振り返ったが、ある意味彼は正しかったのかもしれない。すべてはここから始まったのだから。




Translated by Masaaki Yoshida

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