「パンク」史上最高のアルバム40選

4位 ザ・ストゥージズ『ファン・ハウス』(1970年)


「ザ・ストゥージズは音楽の何たるかを体現する存在だった」ソニック・ユースのサーストン・ムーアはそう語っている。デトロイト発の彼らの2作目(キングスメンの鍵盤奏者ドン・ガルッチがプロデュースを担当)における原始的なガレージサウンドは、実に時代の10年先を行っていた。ギタリストのロン・アシュトンが使うコード数を限界まで絞ったのに対し(「T.V.アイ」はワンコードだ)、イギー・ポップはバッドトリップによるサイケデリアとメタリックなR&Bによってホルモン性のメルトダウンを引き起こし、ノイズに心酔する無数のフォロワーたちを生み出した。






3位 セックス・ピストルズ『勝手にしやがれ!!』(1977年)


「もしあのセッションが俺の思い通りに進んでいたら、大半の人間にとっては聴けたもんじゃないレコードになってたはずだ」セックス・ピストルズのボーカリスト、ジョニー・ロットンはそう語っている。世の無数の人間にとって、本作は実際にそういう作品であった。にもかかわらず、セックス・ピストルズの唯一のアルバムとなった本作はイギリスのポップチャートを踏み荒らし、ロットンによる中絶と無秩序についての歌詞と野蛮さは英国全土を揺るがした。パンク史における『山上の垂訓』となったこの金字塔は、今なおあらゆる音楽に影響を及ぼし続けている。





Translated by Masaaki Yoshida

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