物議を醸しているトランプの選挙広告、偽りの内容に世界が驚愕

トランプの選挙キャンペーンのコマーシャル映像に出演している、フロリダのトレーシー

トランプの選挙キャンペーンのコマーシャル映像が公開された。映像には、トランプを支持する『フロリダのトレーシー』なる美女が出演しているが、本当は、実在しない女性だった? いま物議を醸しているトランプの宣伝映像の内幕とは?

トランプ大統領の政治家としてのキャリアは、その始まりからずっと計謀の上に築き上げられてきた。不倫疑惑を隠蔽するための法的な策略から選挙キャンペーンの広告まで、すべてがそうなのだ。最新の計謀はFacebook上の宣伝広告に見られる。この広告では異なる人種の魅力的な人々が、トランプ大統領への好意を明言する。「彼以上に良い大統領はいない」と自称「フロリダのトレーシー」のブロンド女性がスローモーションでビーチを歩きながら語りかけるのだ。



しかし、この「フロリダのトレーシー」は実在の女性ではない。同じく「生まれてからずっと民主党支持」だが南側の国境を守りたいと話す、中年のヒスパニック男性「テキサスのアル」も実在しない。コーヒーショップで働くタトゥーを入れた髭面の「ワシントンのトーマス」も架空の人物だ。トランプの選挙キャンペーン広告に登場するのはトランプ陣営が購入したストックモデルの映像なのだ(訳注:ストックモデルとは撮影済みのモデルの映像や写真のことで、本物のモデルやカメラマンを雇うよりも安価)。さらに、彼らはアメリカ人ではない可能性もある。AP通信によると、この広告に登場する映像が制作されたのはフランス、ブラジル、トルコだという。このキャンペーンでのストックモデル使用は、もともとPopular Informationというサイトを運営するジャーナリストのジャド・レガムが指摘していた。

Translated by Miki Nakayama

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

MOST VIEWED人気の記事

Current ISSUE