米人気YouTuberのエティカが自殺、世界のゲーマーコミュニティで衝撃

彼の死を知った37万人のファンは、昨年10月に削除されたアモファのオリジナルYouTubeチャンネルを元の状態に戻すことをYouTubeに嘆願するChange.orgのキャンペーンに署名した。この嘆願書には「私たちYouTubeコミュニティとジョイコン・ボーイズ(アモファが自分のファンの総称としてつけた名前)は、アモファのレガシーを記録保存するために彼のYouTubeチャンネルの復元を要求する。何年にも渡る彼の思い出がたった2つ3つの違法投稿によって消えてしまった。YouTubeにあれだけ貢献した人物なのだから、彼の最高の瞬間の記録はYouTube上で永遠に保存されることが許されるべきだ」と記されている。

フォアマン博士は、アモファのファンや彼と仲の良かったYouTuberにも、自分のメンタルヘルス問題に対処するための有効なリソースや手立てを持っていない人が多くいることを懸念している。アモファのファンベースをフォアマン博士は「彼らの多くは若い男性です」と言う。そして、「彼らは年を経るごとに自殺が非常に重要な公衆衛生問題化している世代です」と続けた(事実、米国国立精神保健研究所によると男性の死因第一位は自殺だ)。

フォアマン博士は、コミュニティ内でメンタルヘルス問題の議論が活発になるのは良いこととしながらも、アモファの死後数時間で交わされたコミュニティでの議論を確認したところ、メンタルヘルスに関する「知識や情報が圧倒的に足りない」と言う。そこで、博士はTwitchやYouTubeなどのプラットフォームに対して、一人だけで何時間も作業を行う環境にいるコンテンツ・クリエイターに向けて、メンタルヘルス問題を解決するリソース一覧を公開することを奨励する。

「それこそインフルエンザが流行したときに、人々にワクチンを打ちましょう、手を洗いましょうというアドバイスを公開するのと同じで、健康に役立つ常識的なアドバイスを、配信プラットフォームがエティカのコミュニティで公表すれば良いと思います」と、フォアマン博士が説明した。

また、ユーチューバーのダニエル・“キームスター”・キームのような人気コンテンツ・クリエーターなどは、アモファの最後の動画を彼のYouTubeチャンネルに再アップロードするようYouTubeに催促するキャンペーンを始めている。「あれはあの男の最後の言葉だ。それを削除するなんてあり得ない!」とキームがツイートした。

善意によるものであっても、そういうキャンペーンが実際は間違った方向へ導かれていると、フォアマン博士は指摘する。

「自殺や死に向かう短い間、そういう人たちの意識は異常な状態です。アモファも生き延びていたら、自殺に失敗した多くの人たちと同じように、彼も後から自分の精神状態が異常だったこと、まともな考え方が出来ていなかったこと、自分は病気だったことに気づいたはずです。彼の謝罪動画で話していたのは本来の彼ではなかったということです」と、フォアマン博士がローリングストーン誌に述べた。

こういった最後のメッセージや「最後の言葉」というものは、誰かの自殺に接したコミュニティの人々を危険に晒す可能性がある。フォアマン博士は「彼の死に意味を見出そうとする気持ちは理解できます。しかし彼の死を違う見方で見るようにして、他の人々を危険に晒さない努力をしてほしいものです」とファンに向けてアドバイスした。

Translated by Miki Nakayama

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