譜久村聖と小田さくらが明かすモー娘。ライブの舞台裏

左:小田さくら 右:譜久村聖(Photo by Masato Moriyama, Styling by Ayako Udagawa, Hair and Make-up by Akiko Hachinohe)

20周年イヤーを駆け抜けてきたモーニング娘。’19が、令和初となるシングル「人生Blues / 青春Night」をリリースした。Rolling Stone Japan vol.06に掲載された特集「スタッフとメンバーが初めて明かすモーニング娘。’19ライブの舞台裏」の中から、今回はメンバーインタビューをお届けする。登場するのは9期メンバー譜久村聖と11期メンバー小田さくら。

メンバーインタビュー2組目は、主に歌唱面を支える、いわゆる“歌メン”と呼ばれることも多い譜久村聖と小田さくら。モーニング娘。のプロ意識の高さは様々な場所で語られているが、昨年、ライブ中に起こったハプニングに対し、ステージを見守っているファンには想像のできないやりとりが交わされていたことがここで明かされる。先輩から技術を受け継ぎ、様々な想いを胸に卒業メンバーを見送り、「かわいくない」からこそ己を磨き、11人はさらに大きなステージを目指す。

緊張感は常にある

ー去年のライブで、とあるメンバーが本番の途中にステージ袖にはけてしまったときに、譜久村さんと小田さんがお客さんに気付かれないように打ち合わせをして、メンバーがいなくなった穴を完璧に埋めたそうですね。

小田 これだけ人数がいると珍しいことじゃないんですよね。だから、誰がいつそうなっても対応できるようにとは思ってますよ。

ーそういった場合の対応力は自然と身についてると。

譜久村 もし自分が袖にはける側だとしたら、誰か一人には絶対伝えるんですよ。例えば、誰かの背中を叩いて「はけるよ」っていうことを伝えたら、言われた子が責任を持って他の子に知らせるっていう。そのときはどうだったんだっけ?

小田 私がステージ袖にいるスタッフさんから指示の書いてある紙を見せられたんですよ。「ここのパートを譜久村に歌ってって伝えて」みたいなのを。そのとき譜久村さんはちょっと遠くにいたので、振付で譜久村さんとすれ違うタイミングで「どこどこのパート歌ってください!」って。

譜久村 そうそうそう。佐藤優樹ちゃんと小田さくらちゃんに「歌って!」みたいな顔をされて「わかりました! 私、歌います!」って。でもそういうときは気付いた子たちが歌うこともあるんですよ。

小田 そのとき、私は譜久村さんにしか伝えなかったんですけど、その子のパートがくるたびに加賀楓がマイクを持ってて。加賀は「誰も気付いてなかったら」っていうことを考えてたんです。あの子はデビューの時期は一番下なのにちゃんと考えてるなと思いました。

ーそういった対応力は、加入当初はそこまでなかった?

譜久村 私は、足をつったり、骨折しちゃったメンバーがけっこう多い時期に加入したんですけど、そのときは全然対応できなくて、それを今でも後悔してるんですよ。だからこそなのかはわからないですけど、今はすぐに察知して間を埋める能力が働くようになりました。こういうのって、はけた側よりもステージに残ってる側のほうがよく覚えているんですよ。

ーライブはオーディエンスと一体となって楽しむ一方で、そういう緊張感も常に持っていないといけない。

譜久村 緊張感は常にありますね。でももちろん、一番に考えてるのはファンの方のことだし、すごく楽しんでますし、ずっとそういう思いでいるってわけではないですけど。

ーライブ面において、先輩たちからの指導はどういうものでしたか?

譜久村 私は一対一で教えてもらえる機会も多くて、例えば、田中れいなさんからは「ふくちゃんは肩が上がる癖があるから下ろして踊ったほうがいいよ。そのほうが無駄に力が入ってないように見えるから」っていう細かいアドバイスをいただいたり、高橋愛さんからは「自分の手足が3倍ぐらい伸びた状態で踊ってるって思ったほうがいい」って言われました。確かに、私がファンとしてステージを見ていたときって、モーニング娘。はもっと大きい人たちに見えてたんですよ。でも実際に会うと私よりも背が低くてそれにすごく衝撃を受けて。だから大きくのびのび踊ろうっていうのはすごく意識するようになりましたね。

小田 私は9期さん10期さんに育ててもらうことが多かったです。今思うと、田中さんとか道重さゆみさんは私たちの状態が収拾つかないときに出てくるイメージで。ライブ面で2人を怒らせるほどのことはしなかったと思うんですが、その分9期さんと10期さんにはすごくフォローしていただいてましたね。

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