カリフォルニア・ヴェニスのパンク、スケート・カルチャーを体現するアーティスト

パンク・ロックとスケートボードにハマったきっかけ

ーリックのバックグラウンドを聞きたいのですが、パンク・ロックとスケートボードにハマったいきさつは?

リック スケートは子どもの頃からやってたんだ。地元がドッグタウンだし、先輩たちがプールでスケートしてるのを見てスゲエとか言いながら育ったんだ。パンク・ロックは友達から教えてもらってハマった。当時のLAは毎晩パンクのライブがあったから、毎晩行ってたよ。まだ学生だったんだけど、いつも二日酔いのまま学校に行かなきゃいけなかったから、学校はやめたんだ。17歳の時だ。毎晩ライブに行くのは何年か続いたよ。

ー当時好きだったバンドは?

リック No Mercyだね(笑)。

ー当然ですね(笑)。

リック ディスチャージ、GBH、スイサイダル・テンデンシーズ、ブラック・フラッグだね。

ー絵を描き始めたのはいつですか?

リック ジュニア・ハイスクールの時だ。いろんなマーカーやシャーピーを使って描いてたよ。絵は独学なんだ。

ー他の人のために最初に手がけたアートは?

リック おそらくスイサイダル・テンデンシーズだろうね。スイサイダルがデビュー・アルバムを出す前のことだよ。俺がみんなのシャツに手描きで絵を描いたんだ。ライブの前によくマー・ヴィスタ・パークでハングアウトしてたんだよ。そこでビールを飲みながらね。ある日、ジェイ・アダムスが「シャツに何か描こうぜ」って言ったのが始まりだった。それで描いたらみんなから「俺にも描いてくれ」って頼まれてね。一人ひとり全部違う絵を描いたよ。そのシャツを何枚もグレン・E・フリードマンが撮影して、スイサイダルのデビュー・アルバムのジャケットに載せたんだ。グレン・E・フリードマンは当時スイサイダルのマネージャーで、プロデューサーでもあったからね。あのジャケットのシャツは俺以外が描いたものもあるんだけど、ほとんどは俺が描いたものなんだ。

ーそこからスイサイダルのアートワークを数々手がけることになるんですね。

リック フライヤー、Tシャツ、ステッカーを手がけたよ。


©︎RIC CLAYTON


©︎RIC CLAYTON


©︎RIC CLAYTON


©︎RIC CLAYTON


©︎RIC CLAYTON


©︎RIC CLAYTON


©︎RIC CLAYTON

ーリックは自分のバンド、No Mercyを結成して、ベースを担当するわけですが、No Mercyはどのようなバンドを目指していたんですか?

リック 最初はストレートなパンク・ロックだよ。でもそこからスピード・メタルに進化していった。ヴォーカルのケヴィン・ガーシオが脱退した時に、スイサイダルのマイク・ミュアーが後任のヴォーカルとして入ったんだ。そこで1stアルバム『Widespread Bloodshed Love Runs Red』をリリースした。

ーNo Mercyはヴェニスのバンドの中で最もハードコアで、パンクとメタルをクロスオーバーさせていましたが、メタルからの影響はどうでしたか?

リック メタルは大好きだった。それこそブラック・サバスから始まり、エキサイター、モーターヘッド、いろいろ好きだったね。どんどんハードなものが好きになっていって、No Mercyは速い曲ばかりやってた。スイサイダルよりもハードコアなバンドをやりたかったんだ。

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