凛として時雨、豊洲PITで魅せた静と狂のカオス

『Tour 2019 Golden Fake Thinking』を開催中の凛として時雨(Photo by 河本悠貴)

2019年6月22日、東京都豊洲PITにて、凛として時雨の『Tour 2019 Golden Fake Thinking』セミファイナル公演が開催された。今回のツアーは、5月18日の仙台PITでの公演を皮切りに、6月30日の大阪 Zepp Osaka Bayside 公演までの全国7公演を回る。豊洲PIT公演の独自レポートを掲載する。

開演前の静かなSEが終わると、会場が暗転。ステージのみに僅かな照明が当たり、凛として時雨の3人が登場。簡単なサウンドチェックを済ませると、1曲目の「ハカイヨノユメ」からライブはスタート。音源とは異なるアレンジを加えつつ、サビのTK(Vo / Gt)の切り裂くようなシャウトと共に怒涛のサウンドが生まれ、会場では拳が上がり冒頭から盛り上がりを見せる。その後は、「鮮やかな殺人」、「DISCO FLIGHT」と初期の代表曲を演奏。「DISCO FLIGHT」でイントロのディレイの掛かった、一度聴いたら耳から離れない印象的なリフが聴こえてきた瞬間、会場からは大きな歓声が上がった。ステージ上では、曲の印象的なリフと共に切り替わる幻想的な白の照明と、間奏でのTKの狂気とも言えるギタープレイ時の真っ赤な照明の対照がより印象的に魅せる。キラーチューンが連続し、序盤から既に会場のボルテージは最高潮へと上がっていった。



続いて、凛として時雨が昨年、約5年振りにリリースしたフルアルバム『#5』より「Chocolate Passion」や「Serial Number of Turbo」を披露。「Serial Number of Turbo」では、凛として時雨には珍しいTKのアコースティックギターの煌びやかなサウンドと、Bメロのファズで歪ませたようなベースの音色のギャップが印象的であった。TKの切り裂くようなシャウトとハイトーンボイス、空間系エフェクターを巧みに使った狂気のようなギターサウンド。345(Vo / Ba)の真っ直ぐな歌声と、本人の見た目から想像できない太く歪んだ低音。そしてバンド全体に勢いを付けるピエール中野(Dr)の圧倒的なドラミング。これらが混ざり合って、3ピースバンドとは思えない音圧で会場を凛として時雨の独特な空間へ形成していく。



その後に数曲披露すると、TKと345が楽器を置いてステージを去った。すると、ピエール中野のドラムソロタイムがスタート。椅子から立ち上がって観客に拍手を煽る場面もありつつ、ドラミングプレイはどんどん激しくなっていく。ピエールの手数がどんどん増えていくにつれて、それに応えるように会場からも大きな歓声が上がった。



Rolling Stone Japan 編集部

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