どうなる?米大統領選、金持ち優先主義のトランプの勝利はあるか?

エアフォースワンの機内で同行した記者団に身振り手振りで語るドナルド・トランプ米国大統領(2018年10月6日) Pablo Martinez Monsivais/AP/Shut


トランプはまた、「やりたい放題」だったウォールストリートの人々に対する規制を強化し、彼らに対する税の引き上げを公約に掲げた。「ヘッジファンドに関わる人々は、大金を稼ぎながら税金をほとんど支払っていない」と、大統領候補時代のトランプは指摘した。「中産階級の税負担を軽くしたいと思う」と語った彼は、ゴールドマン・サックスとのお金の問題でテッド・クルーズとヒラリー・クリントンを追求した。

数年後、あらゆる約束がひっくり返されたのは周知の事実だ。トランプは富裕層に対する税金を上げるどころか、むしろ逆に前代未聞の税優遇措置を実施した(中産階級の税負担もやや軽減されたが、大きくはない)。選挙後間もなく彼は、選挙中に自らが攻撃対象としていたゴールドマン・サックスの幹部を政権内に迎え入れようとした。トランプの行動に対しては多くの批判の声が上がり、オバマの選挙参謀のひとりだったカリーヌ・ジャン=ピエールは、将来的に有権者は門外漢のトランプを「全く信じなくなるだろう」と指摘した。

トランプが大統領に就任してから2年の間に、米国では多くの激しい変化や衝突が見られ、異様さが全国的に広がった。そのためトランプは、物ごとの違いが認知されるだけで恩恵を受けることになるかもしれない。2019年初めに実施されたCNNの世論調査によると、米国民の76%が、トランプは「大きな変革」をもたらしたと答えている。しかし彼の改革が良かったか悪かったかという点については意見が分かれ、33%が良い、37%が良くないとの結果が出ている。

このような数字も、前回の選挙でトランプに投票した有権者が彼の行う改革を盲目的に一貫して支持するようになるまでは、彼にとってたいした意味を持たない。トランプはトランプであるというだけで、大統領選の相手が誰であろうが、「改革の中心人物」とされる道が開かれているのだ。

そのためトランプの選挙参謀を務めたティム・マータフのように、トランプは「大統領に就任して改革を推進すると約束した彼は、その通りに実現した」と、皮肉でも何でもなく言ってのけるような人々が出てくるのだ。「ホープとチェンジ」を掲げたバラク・オバマに対し、トランプはただ改革のみを推進している。しかし、トランプの政治家としての手腕は過小評価されている。彼はいつでも、米国民の多くが正気を失い、悲観的で意気消沈し、現状に妥協してしまっていることをわかっていた。

2016年の民主党はドナルド・トランプを問題視せず、現状の闘い方で十分だと考えていたようだった。次の選挙も同じ戦略で通用するだろうという、複数の世論調査結果もある。それは危険な考え方だと思う。一方で積極的な行動を約束している民主党候補者は、たぶん事態をよく理解している。それは政権を奪還するための手段としてだけでなく、米国が必要とし、求めているからだ。大幅な構造改革は、米国にとって長年実現できていない課題となっている。民主党が現状に満足して構造改革を公約に掲げなければ、ドナルド・トランプがやるだろう。

Translated by Smokva Tokyo

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