ドミニカ共和国でアメリカ人観光客がまたもや死亡、この1年で9名が犠牲に

この1年間で、ドミニカ共和国で死亡したアメリカ人観光客はこれで9人目となった。(Photo by fagianellaz/Shutterstock)

ここ最近ドミニカ共和国でアメリカ人観光客の不審死が相次ぎ、死因をめぐって憶測が盛んに飛び交う中、また1人アメリカ人が同国のホテルで死体となって発見された。

現地時間20日未明、ドミニカ共和国ソスアのホテル・テラ リンダでジョセフ・アレンさん(55歳)が死んでいるのが発見されたとCNNが報じている。聞くところでは、彼はホテルの常連客だった。ドミニカ共和国政府の職員によると、初期の検視結果により死因は心臓発作と判明。争った痕跡はなかったという(ホテル・テラ リンダにコメントを求めたが、すぐに返答は得られなかった)。

アレンさんを含め、この1年ドミニカ共和国のホテルに滞在中、またはチェックアウト後まもなく死亡したアメリカ人観光客はこれで少なくとも9人となった。6月10日にはスタテンアイランドの53歳の女性、レイラ・コックスさんがプンタカナのエクセレンス リゾーツで死んでいるのが発見された。CNNによると、彼女もまた心臓発作で死亡したとホテルが声明を発表した。

ドミニカ共和国政府は5月に、ペンシルベニア州の女性ミランダ・シュワップ・ウェルナーさん(41歳)がラグジュリー バイーア プリンシペ・ブーゲンビルで死体となって発見されたと発表。その数日後、エドワード・ネイサン・ホームズさん(63歳)とシンシア・アン・デイさん(49歳)の夫妻が同じ系列の別のホテルで死亡した。初期の検視報告によると、3人とも発見時に肺に水が溜まっており、呼吸不全の痕跡も見られたという。

今月上旬の時点では確認されていなかったが、また別のアメリカ人観光客ロバート・ウォレスさんも4月にプンタカナのハードロック・ホテル&カジノで死亡していた。姪の話では、彼はミニバーのドリンクを飲んだ後、体調不良を訴えたという(被害者の1人、シュワップ・ウェルナーさんも、ホテルのミニバーからドリンクを飲んだあと具合が悪くなったとみられることから、少なくとも何人かのケースでは、偽造アルコールが原因だったのではとの憶測も飛んでいる)。昨年夏にも、イヴェット・スポートさん、デヴィッド・ハリソンさんの2人がそれぞれプンタカナのバイーア プリンシペとハードロック・ホテル&カジノで亡くなっている。

ドミニカ共和国で亡くなった人の中には、ABCの番組『シャーク・タンク』の出演者の一人バーバラ・コーコランさんの兄もいる。だが彼女は、兄のジョンが去る4月にドミニカ共和国で死んだと発表したが、のちに、兄は心臓の持病を抱えていて「家族は自然死だと考えています」と述べた。

ドミニカ共和国は世界でも人気観光地のひとつ。ドミニカ共和国内務省によると、毎年270万人のアメリカ人が島を訪れている。同国のフランシスコ・ガルシア観光大臣は、観光客の死に関連性はないとし、「個別の事件」だと述べた。

以前ローリングストーン誌に充てた声明の中で、ハードロック・ホテル&カジノ プンタカナの代表者は「これまでも、そして現在も、お客様の安全と健康が我々の最優先事項です」と述べた。グランドバイーアの代表者からはまだコメントは得られていないが、6月7日のTwitterの投稿で、アメリカ人観光客の死に関する最近の報道に反論し、「世間に出回っている、弊社のイメージや評判を損ねるような誤った情報について、完全に否定いたします」と述べ、さらに同チェーンは「警察当局および現在進行中の捜査に心から敬意を表します。弊社は警察および現在進行中の捜査に全面的に協力していることを重ねて申し上げます」と付け加えた。

Translated by Akiko Kato

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