キースとロニー・ウッドが語る、ローリング・ストーンズ流セットリストの作り方

ザ・ローリング・ストーンズのロニー・ウッドとキース・リチャーズ(Mark Allan/Invision/AP/Shutterst )

ザ・ローリング・ストーンズのアメリカツアー直前、ロニー・ウッドとキース・リチャーズにバンドがどのようなセットを計画しているのかを訊いた。キースが、ショウ幕開けで演奏する一番好きな曲は? ミックはなぜ「ビースト・オブ・バーデン」の演奏が好きじゃないのか? U.S.ツアー開始前に、バンドがどのようなショウを繰り広げるかを読者のみなさまに共有しよう。

ザ・ローリング・ストーンズはこれから行われる毎日のショウで、どの曲をプレイするかを決めるシステムがあると言う。コンサートの日には、バンドは通常、午後にサウンドチェックを行う。そしてミック・ジャガーはキーボーディストのチャック・リーヴェルと共に、セットリストを作る仕事に取り掛かる。決めるにあたって必要なものはこのようなものだ:前回のその町で最後にプレイした曲を確認し、繰り返しにならないようにすること。そしてジャガーが自身の声のことを考え、声が出せる曲であること。時々、バンドが提案することもある:「彼はすごく正直なんだ」と、ギタリストのロニー・ウッドは言う。「彼は、“うーん、答えはノーだ。ここではきっとウケないよ”とか、“その曲、この町でやりすぎじゃないか”って言われることもある。かと思えば、“いいね、やろうよ”と言われることもあるから、予想ができないんだけど、なぜ、その曲をやらないかの理由がいつも明確なんだよ」

ウッドはバンドには“曲のストック”があると言う— —例えば「ブラウン・シュガー」や、「ダイスをころがせ」と言った楽曲だ——彼はその曲を「ショーのご馳走」だと考えていて、ここ最近のツアーで演奏した彼のお気に入りの楽曲はファンに驚かれていた。そこには、1965年の「プレイ・ウィズ・ファイア」(「キースと俺で、アコースティックでこの曲をもっとたくさんプレイしたいと思ってる」)、そして1989年の「ミックスト・エモーションズ」(「これはどこからともなく演奏することが決まったんだ— —ミックが“この曲できるかな? ”と聞いていたんだよ」)も含まれている。

「完成形のセットリストをもらう時は……」と、ウッドは続ける。「俺のキャンバスが素晴らしいものになるんだよ」ウッドは20年間、バンドのセットリストをアートに昇華し続けており、詳細をスケッチし、サイケデリックなイラストを描いていた。彼の楽屋に来るゲストは、その絵が欲しいと何年も言い続けており、そのため彼は自身の本『Set-Pieces』で、自身の絵を世に出すことを決めた。U.S.はシカゴから最新ツアーをスタートするストーンズに、我々は昨年のセットの中で、一番好きだった曲を聞いた:2018年6月19日、ロンドンのトゥイッケナムスタジオで開催されたショウでの内容だ。以下が、彼らの答えである。

1.「ストリート・ファイティング・マン」(1968)

ツアー当初、バンドはコンサートを「悪魔を憐れむ歌」で幕開けていた。しかしそれから、ミック・ジャガーは爆発的な政治ロックチューンで公演をキックオフすることにした。「すごく気持ちよかったよ」と、キース・リチャーズは明かす。「この曲以外に、オープニングにふさわしい曲があったかな」

Translated by Leyna Shibuya

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