セックスカルト集団の指導者、すべての起訴内容で有罪に

7件の刑事起訴で有罪となったキース・ラニエール被告(Photo by Elizabeth Williams/AP/Shuttersto)



元奴隷の母親は感謝の言葉を述べた

DOSの元奴隷の一人だったインディア・オクセンバーグの母親、キャサリン・オクセンバーグ氏は法廷の外で取材に応じ、涙を流しながらこう述べた。「本当に感謝しています。正義が果たされました」


キャサリン・オクセンバーグ(Photo by EJ Dickson)

評決が読み上げられて法廷内が騒然とする中、アグニフィロ弁護士はラニエール被告の元恋人、バーバラ・ブーシェイ氏に近いて、何やら謝罪の言葉を伝えていたようだ。「この評決で、いくらかお気持ちが晴れればと願っています」

ニューヨーク東地区連邦地方裁判所で6週間以上にわたっておこなわれた裁判では、1998年にラニエール被告がナンシー・ザルツマンと共同創設したネクセウムの元メンバーの証言が満載だった。ネクセウムはサイエントロジーや、1970年代の自己啓発グループEST、アイン・ランドが提唱した思想体系オブジェクティヴィズムなど、様々な思想をごた混ぜにした組織だと描写された。

タニヤ・ハジャール連邦検事補は冒頭陳述の中で、ラニエール被告を「生活改善を願う人々を標的にした詐欺師」と呼んだ。「ひとたび信頼を得ると、被告はそれを悪用したのです」とハジャール検事補。彼女は冒頭陳述でまず、ニューヨーク・タイムズ紙の記事でも取り上げられた女性組織DOSに焦点を当てた。被告はDOSの一軍奴隷たちに、女性の意識向上を目指すグループだと偽ってメンバーを勧誘するよう指示したと、検事補は追及した。女性メンバーを脱退させないように、彼女たちに恥ずかしいヌード写真や手紙などを「担保」として提出させていた。

「被告は終始、嘘をつき通していました。自分が被害者をコントロールしているのは、すべて女性の意識向上のためなのだと」とハジャール検事補。

被告側弁護団の第1弁護士を務めるマーク・アニフィロ氏は冒頭陳述で、DOSが「セックスカルト集団」ではなかったとしたうえで、女性たちがヌード写真を共有したのは、自分たちの「弱さ」を認める手段だったと述べた。彼はまた、大勢のネクセウムの元メンバーが「素晴らしい集団で、とても役に立った」と語っていると述べ、一時期は約1万7000人がネクセウムのセミナーを受講していた点を指摘した。「彼らが受講したのは、ためになることがあったからです」と弁護士(たしかに、証人喚問では大勢の現ネクセウム・メンバーが公聴していた。ただし、マスコミに口を開いたものは誰もいなかった)。

陪審員は公判中、数々の証言を耳にした。ネクセウムの元メンバー、ダニエラは他の男性と恋に落ちた罰として、ラニエール被告から2年以上も監禁された。DOSの元奴隷ニコルは、目隠しをされてテーブルに縛り付けられた形でオーラルセックスを強要されたと証言した。DOSの奴隷でネクセウムの幹部だったザルツマンは、DOSに勧誘する際は本来の目的は伏せておくようにと、ラニエールから指示されたと証言した。

Translated by Akiko Kato

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