米国防総省、ロシアへのサイバー攻撃をトランプ大統領に報告せず

トランプ大統領は過去にシリアの極秘作戦をロシア要人の前で漏らしてしまったことがある。(Photo by Shutterstock)

米ニューヨーク・タイムズ紙は現地時間15日、ロシアからのアメリカのユーティリティネットワークに対する攻撃や選挙介入の予防網として、アメリカ合衆国陸軍支部がどんな措置を取っているかという重要な情報を報じた。それによると、国防省は「ドナルド・トランプ大統領が作戦を中止、または海外要人に漏らす可能性があった」ため、故意に作戦の詳細を知らせなかったというのだ。

ロシアのウラジミール・プーチン大統領に対する警告と、サイバー戦争でより攻撃的な立場を取るべく、ロシアの電力網に「アメリカのコンピューターコードを配置する」作戦を事細かに説明した後、タイムズの記事はこう続く。

2人の政府職員によると、トランプ氏にはロシアの電力網に仕掛けたインプラント(監視または攻撃の際に使用可能なソフトウェアコード)詳細は、大統領には一切報告されなかったはずだという。

「国務省と諜報機関の職員はみな、対ロシア作戦の詳細をトランプ氏と共有することに対する懸念をはっきりと口にしました。大統領の反応を恐れていたのです。それに、彼が作戦を中止、または海外要人に漏らす可能性もありました。実際に彼は2017年、シリアでの極秘作戦をロシアの外務大臣の前で口にしましたからね」(政府職員)

昨年議会が承認した新しい法律により、このようなサイバー上での「極秘軍事活動」は、大統領の承認なしで実行することが可能となった。つまり今回の場合、こうした法律が現職の大統領を蚊帳の外に置いているということを物語っている。

Translated by Akiko Kato

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