レディオヘッドの長尺リーク未公開音源、聴いておくべき30分

レディオヘッドのコリン・グリーンウッド、フィル・セルウェイ、トム・ヨーク、エド・オブライエン、ジョニー・グリーンウッド(Roger Sargent/Shutterstock)


「Attention」(MD111 – 4:30)

「Attention」という曲はヨークの4トラック・レコーダーに録音された音源として『OKNOTOK』のカセットテープで初めて世に出た。『Minidiscs [Hacked]』によってバンドがいかにこの曲に“Attention”(注意)を注いでいたのかを感じることができる。完成版のスタジオ音源はリークされていないが、この曲はアコースティックの断片からバンドでのリハーサルまで、今回のMD音源に全部で10回登場している。その中でも、最もすばらしいのは1枚目のMDに収められているポートランドでのサウンドチェック中にフル・バンドで録音されたもので、この完成版が作られることのなかった曲の可能性を示している。

「レット・ダウン」(MD119 – 24:00)

『Minidiscs [Hacked]』は、ボブ・ディランの『ザ・カッティング・エッジ1965-1966:ザ・ブートレッグ・シリーズ Vol.12』やザ・ビーチ・ボーイズの『スマイル』のような膨大な数の曲/テイクを集めた再販盤的な側面を持っており、曲の構想から完成までの過程を聞くことができるすべてのテイクが不規則に収められている。ただこの音源にはレコーディング・スタジオでのテイクが繰り返し録音されているのではなく、レディオヘッドが『OKコンピューター』に収録されることとなる曲を一連のリハーサルの中であれこれ試す過程が記録されている。

MD119の「レット・ダウン」は録音されたリハーサルの中で最も興味深いものである。11分におよぶそのリハーサル音源は、リークされた音源の中で野外録音部分を除くと最長であり、後にファンのお気に入りとなる曲が生み出される瞬間を聞かせてくれる。固まった土台の上で、バンドはジャズ・バンドのようにメンバーがそれぞれ「レット・ダウン」を最終目的地に向かって推し進めている。その実験的試みのいくつかは最終版にも使われ、(当然のことながら)不採用になったものもあるが、この「レット・ダウン」のリハーサルからは普段なかなか見ることができない制作中のレディオヘッドの親密な関係性や一緒に曲作りする様子を感じることができる。

「エアバッグ」(MD124

この一連のMD音源の3分の1は、1996年にレディオヘッドが『OKコンピューター』に収録されることとなる曲を実際にライブの本番やサウンドチェックで試し、それをサウンドボード音質で録音したものである。アメリカ東部のツアーを通じて録音されたMD124には「エアバッグ」のシンプルなサウンドチェック・バージョンが5回収められており、プロデューサー、ナイジェル・ゴッドリッチが『OKコンピューター』の最終バージョンとして華やかさを加える前のものあるので、その5回のどれもが『ザ・ベンズ』寄りのサウンドとなっている。

Translated by Takayuki Matsumoto

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