レディオヘッド『OKコンピューター』関連音源の盗難事件により緊急リリース

Owen Sweeney/Invision/AP/Shutterstock

レディオヘッドは、先週18時間に及ぶ『OKコンピューター』の関連音源が何者かに盗まれ、現金を要求されたことを受け、急遽作品のリリースをアナウンスした。本作の売り上げを気候変動に関する環境活動を行うエクスティンクション・レベリオンへ寄付することも発表している。

レディオヘッドが18時間に及ぶ『OKコンピューター』時代の音源がリークされたことを受け、同作をBandcampでリリースした。本作は18のミニディスクに収録されており、バンドやフロントマンのトム・ヨーク自身がレコーディングした音源を含んだものだ。個々のトラック分けはされていないものの、18日間限定で、全音源18ポンド(約2400円)で購入が可能だ。売上はすべて、気候変動に関する環境活動を行うエクスティンクション・レベリオンに寄付されることになっている。

バンドはInstagramに真相を投稿。ギタリストのジョニー・グリーンウッドはこの作品がハッキングされたことを認めた上で、「誰かがトムの『OKコンピューター』時代のミニディスクを盗んで、15万ドルを要求してきた。だから、不満を言ったり、だんまりを決め込む代わりに、18時間のフル音源をBandcampでリリースをして、エクスティンクション・レベリオンの役に立ててもらうことを決めた。18ポンド払ってもらえば、俺たちが身代金を払うべきだったかどうか、判断がつくと思うよ」とコメント(ちなみにグリーンウッドが投稿した文章のタイトルは、「ウォルター・ソブチャック VS バニーの足の親指」というもの。これは映画『ビッグ・リボウスキ』の身代金に関するプロットを用いた、ヒネりの効いたタイトルである。)。

スピン誌によると、当該のミニディスクにはスニペット音源や未完成音源、アンビエント・ノイズ、バンドのリハーサル音源やデモ音源等、未リリース音源の宝庫であったと言う(このリークに伴って、レディオヘッドのファンは説明文や注釈、曲のタイトルを纏めた包括的なトラックリストを編集した) 。また本作には、「Lift」や「I Promise」など、2017年にリリースされた『OKコンピューター』の20周年記念盤に収録された楽曲も含まれている。

グリーンウッドは 「この作品は公にするつもりはなくて(いくつかの曲は『OKコンピューター』が再発される時のカセットに入っていたりもするけど)、本題からは逸れたものでしかなかったんだよ。あと、めちゃくちゃ長い。携帯でのダウンロードはお勧めしないかな。やめといたほうがいいよ。」とコメントを結んだ。

Translated by Leyna Shibuya

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