フジロック×サマソニ運営対談 フェスと洋楽文化を支える両者のリアルな本音

左からフジロック、サマーソニックのメインビジュアル(Photo by 宇宙大使☆スター / ©︎SUMMER SONIC All Rights Reserved.)



二人が選ぶベストシーン、2019年のフジロック展望

―ライブの話も伺いたいので、お二人が相手のフェスで見たベストシーンを教えてください。

高崎:フジはもともと、97年のレッチリに始まり、98年のコーン、99年のレイジ・アゲインスト・ザ・マシーン、2001年のシステム・オブ・ア・ダウンというラウド系の流れを作っていたんですよ。そこでぜひ出したいと望んでいたのに叶わなかったのがスリップノット。彼らをサマソニで見たときのことはよく覚えてます(2001年)。初来日(2000年)はウチが呼んだんですよ。

安藤:会場は渋谷クアトロですよね。

高崎:そうそう。僕は大阪にいたからBIGCATで見て、新人離れしたライブにびっくりしました。そのあと、サマソニで改めて感激して。やっぱりスタジアム級のバンドだなと。あれはフジで見せたかった。あのときは色んな想いが湧き出てきましたね。


スリップノットの公式ライブ映像

高崎:それから、2002年のガンズ・アンド・ローゼズ。僕はもともと90年代前半までハードロック好きだったんですけど、オアシスが出てきてからUKにハマって聴かなくなったんですよ。だからあのときも、後ろのほうで斜に構えながら見ようとしてたんですけど、「Welcome to the Jungle」のリフが流れた瞬間に「うわー!」となって(笑)。あとはベタですけど、レディオヘッドの「Creep」が生で聴けたときは感動しましたね(2003年)。

―安藤さんはどうですか。

安藤:やっぱり印象的なのは2004年ですね。この年のフジに行ったのは、レッド・マーキーに出たZero 7を見るのが目的で。ちょうど2ndアルバム(『When It Falls』)を出したばかりで、フィーチャーされたボーカリストも全員来日していて。その真ん中で歌ってたのがシーアだったんですよ。

高崎:貴重なライブを見てますね! そのときは顔も隠していなかったんだよね。

安藤:あれはフジのベストっていうより、今まで僕が見てきたなかでも指折りのライブでした。だから今年、シーアがヘッドライナーで出演すると聞いて、ついに帰ってくるんだなって。あの日は昼間、SikThっていうUKのマスコア・バンドで盛り上がって、夜はZero 7でしっとり。よくわからない流れですけど、最高の1日でした。


シーアが参加したZero7のライブ映像(2004年のグラストンベリーフェス)

高崎:この流れで今年のフジについて話すと、まずはケミカル・ブラザーズが真っ先に名乗りを挙げてくれて。「またか」って意見も正直多いですが(苦笑)、前回は2011年だから久々だし、フジのケミカルは1.5倍増しのライブを見せてくれるはず。それから、ザ・キュアーが結成40周年ということで「フジでどうだ」と連絡がきて。この2組は早々に決まりました。ただ、彼らはいかにもフジらしい並びだけど、N.E.R.D.ケンドリック・ラマーという攻めたラインナップを昨年実現させたばかりだし、新しい色を今年も見せたいというのがSMASH一同の総意でもあって。そこで最後に浮上したのがシーアだったんです。

―シーアはバラードとポップの印象が強いので、フジに出るのは少し意外でした。

高崎:そうなんですよね。日本のマーケットを調査したら、リスナー層は30代前後の女性が中心らしくて。むしろ、客層のイメージはサマソニ寄りかもしれない。だからこそ、彼女がヘッドライナーを務める2日目の土曜は、新しい流れを作ろうと考えていて。

もう一人の象徴がマーティン・ギャリックスですね。僕はEDCやUltraもずっと行ってる会社のEDM担当なので、「ネクスト・アヴィーチーです!」と社内でプッシュし続けて(笑)。海外ではヘッドライナーの常連ですけど、日本ではさすがに難しいので、セカンドということで念願の出演が決まりました。フェスに行くと、彼のDJ目当てでやってきたお客さんが本当に多いんですよ。ここから新しい客層も開拓したいし、フジに毎年来てる人たちのリアクションも楽しみですね。



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