研究室育ちの鴨ムネ肉、その味は? スタートアップも続々参入する代替肉産業の内幕

広義の意味での「代替肉」製品は、近年アメリカで急激に勢いを増している。(Courtesy of Memphis Meats)



代替肉マーケットの可能性

2015年にMemphis Meats社が創設されて以来、数十社のスタートアップ企業が培養牛肉、培養豚肉、培養鶏肉、はたまた培養シーフードの開発に乗り出した。中でもMosa Meat社、Just社、New Age社、そしてイスラエルのFuture Meat Technologies社は、培養肉製品――鶏肉の切り身や朝食用のソーセージ――を、早ければ2020年ごろまでに販売するとの計画を発表した。別のシリコンバレーのスタートアップ企業Finless Foods社は、培養したクロマグロの開発に取り組んでいる。創業者は2人の20代の生化学者で、製品第1号は培養細胞から作ったフィッシュパテ。2019年後半に売り出す予定だ。SuperMeat社はウシ胎児血清の代わりに完全非動物性の培養液を生成していて、産声を上げたばかり業界のさらなる発展に貢献すると期待されている。

ヴァレティは自社製品の販売時期については口を固く閉ざし、製品第1号の詳細についてもお茶を濁したが、他社が先手を打つことにはさほど気にしていないとも語った。スピードよりも、クオリティを追い求めているからだ。「素晴らしいことですよ。競争原理ほど、アイデアの可能性やマーケットの有望性を教えてくれるものはありませんからね」

一方で、牛肉業界では遺伝子操作肉が突如注目を集めている。屠殺の痛ましさを軽減するべく、遺伝子操作で角を持たない牛が作られたのだ。培養肉も、たとえ今は奇妙に思えても、店頭に製品が並ぶころには珍しくなくなるだろう。植物性由来の代替肉の成功も、培養肉が今後世間で認められる道筋を切り開いている。

動物愛護活動家に訊いてみても(この件に関しては、ミレニアルおよびZ世代の消費者の大多数も)ほぼ全員が、非動物性の肉は自分たちの未来だと答えるだろう。たとえそれがどんな形だとしても。アメリカ人道協会で食品政策を担当するマシュー・プレスコット氏は、植物性由来の代替肉を代替肉マーケットが広がっていくための「最初の一歩」と呼んでいる。

出典:アマンダ・リトル著『THE FATE OF FOOD(原題)』(Copyright © 2019 by Amanda Little)

Translated by Akiko Kato

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