松本誠治、池袋のせんべろ酒場にて異彩を放つ青年に120円のチューハイを奢る

the telephonesやMigimimi sleep tightのドラマー松本誠治

the telephonesやMigimimi sleep tightでドラムを叩き、the SHUWAやthe god and death stars等でドラムのサポート、各地でオールジャンルにDJも行い、主催イベントを地元埼玉で開催するなど、エネルギッシュでユーモアに溢れたチャーミングなミュージシャン、松本誠治が月一(多分)で連載をスタート。テーマはせんべろ(※千円でべろべろになるまで酔っ払える居酒屋のこと)。毎回せんべろできるお店を見つけては無作為に入り、如何にコストパフォーマンスよく飲むか? のはずなのですが、第1回目から意外な展開に……。

第一回 池袋「大都会」

Rolling Stone Japanを閲覧くださってる皆様、ここのページまでクリックしてくださった皆様、初めまして。松本誠治と申します。

普段はthe telephonesや、Migimimi sleep tightというバンドでドラムを叩いたり、the SHUWAや、the god and death stars等でドラムのサポートをしていたり(仕事ください)、各地でオールジャンルにDJしていたり(仕事ください)、主催のイベントを地元・埼玉で開催していた(遊びにきてください)、楽しく暮らしている人です。

せんべろできるお店を見つけては無作為に入り、如何にコストパフォーマンスよく飲むか? という連載の話をいただき、第1回に選んだのは、埼玉県民の心の支えであり、そこにいる人々の8割が「埼玉県民では?」と噂される土地、最寄りの都心(?)池袋。そんな池袋にぴったりなお店がこちら。

「大都会」

いや、もう、名前、最…高…。ここは食券制で、なんとも会計が明朗で、お財布に優しく、お酒で身を崩しかねないほどの方にとっては、人にも優しい食券制。これなら自分を見失わずに行けますね! ありがとう! 大都会! そんなわけで、千円でいけるものとは……。



自販機を軽く見回したところ、ウーロンハイが300円か。うー、安いとは思いつつも、千ベロむずいか? いきなり、企画に対してチョイスをミスしたのか!? 「むむむ……」と思いつつも、とりあえずウーロンハイを頼み、一度思案の時間へ。「ここ、千ベロかなぁ……」と飲みつつ、着席したメニューをもう一度隈なく目を回す。んー…… んー……? こ、これは……!よく見回せば見つかる千ベロの抜け道…… これは入店してからの時間にやっている、ハッピーアワーのような存在……!! まさに僥倖…… セイジ、起死回生のメニューを発掘……!!

120円で酎ハイ(プレーン)を頼める!! これならいける!!





上機嫌な私は、余裕も出来、周りを見回せるほどに成長。いやー、ほんと、起死回生! そうなると店内の(なんか早い時間ですが)この時間を利用したお酒好きな方々が多くいることに気づく。基本的には僕よりも先輩な方々(に見える)多数。

今になって気づいたが、そこで、異彩を放つ学生のような幼さを持った青年。何が異彩って、その中で、静かで暗い雰囲気を持っていて、なんとも言えないオーラなのだ。しかし、気になる。編集の方も気にしている。青年、どういう魅力なのだ……。というわけで、話してみることに。

「よく来るんですか?」

まぁ、ありきたりだが、無難な「ザ・松本誠治」な声の掛け方。彼はこう答える。

「昨夜、彼女に振られまして……」

人生で、恐らくは彼が初めて目にするであろう人間の第一声に対してのレスポンスが、とんでもない返答だった。そもそも「よく来るんですか?」の俺の質問、無視しすぎ。怖ぇ。俺、変な人に声かけちゃった? この後、どうなるの? 1回目にして、責任、よろしくですよ? 編集さん。しかし、彼がなぜ暗い雰囲気を発していたかは理解出来た。そりゃ、そうなるわ。

「そうですか、一杯奢りますよ(ペットボトル以下の値段だけど)」
「ありがとうございます」

お礼が言える若者でした。まぁ、こっちが勝手にやってるから、お礼の必要はないけど。しかも値段やべぇ安いし。

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