ベートーヴェンの遺髪がオークション出品 予想価格210万円

Alfredo Dagli Orti/Shutterstock

「かなりの量」のベートーヴェンの遺髪がオークションに出品されることがわかった。オークションハウス大手サザビーズは、唯一無二のオークション品について1826年にベートーヴェン自らが切り、ピアニストに贈ったものと解説している。

米現地時間6月11日火曜日、1826年に作曲家自らが切り、ピアニストに贈ったというルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンの毛髪の一部がオークションにかけられる。

オークションハウス大手のサザビーズが楕円形の額に収められた茶髪と白髪混じりの「かなりの量」のベートーヴェンの遺髪、という唯一無二の品物をオークションにかける。オークション前から、はやくも1万5000ドル(およそ160万円)から1万9000ドル(およそ210万円)という見積もりが囁かれている。

出品される遺髪は、ベートーヴェンがこの世を去る1年前の1826年に作曲家がピアニストのアントン・ハルムに個人的に贈ったものである、とサザビーズは発表した。



「ハルムは、1826年にベートーヴェンの大フーガの編曲に取り組んでいた最中、当時ベートーヴェンの雑用係を務めていたカール・ホルツに妻マリアのために作曲家の髪をひと房送ってほしいと頼んだ、とベートーヴェンの伝記の著者アレキサンダー・ウィーロック・セイヤーに語った。数日後、ベートーヴェン本人のものとして届けられた毛髪は、実際にはヤギの毛だった」とサザビーズはオークション品について解説した。
 
「ハルムは大フーガの編曲を完成すると、楽譜とヤギの毛を持ってベートーヴェンのもとを訪れた。友人が騙されたと知って激怒したベートーヴェンは、その場で自らの髪をひと房切ると、正真正銘の本物だといってハルムにプレゼントした」。

米CNNによれば、ベートーヴェンの遺髪がオークションに出品されるのはこれが2度目である。1994年には、ベートーヴェン愛好家の2人が作曲家の死因を突き止めるために遺髪の一部を購入している。それは、1827年3月にベートーヴェンが56歳で死亡した際に遺体から切られたものである。オークション前の最新見積もりによると、今回出品される遺髪は、2016年に3万5000ドル(およそ380万円)で売却された、1966年当時のビートルズのヘアスタイリストが切り取ったジョン・レノンの髪ほどの金額にはならなそうだ。2016年には、『レッツ・ダンス』期のデヴィッド・ボウイのひと房の金髪が1万8000ドル(およそ200万円)で売却されている。

Translated by Shoko Natori

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