―では最後、中山さんです。
安本 子鹿ちゃんから猛獣に(笑)。
真山 猛獣? 珍獣じゃない?(笑)。
星名 最初は衝撃的なぐらい小刻みに震えてて(笑)。
安本 今はもう、「ついて来なさい!」って言ってるのが背中から感じられるぐらい勢いがあって、パフォーマンスでも頼りにしてます。
―最近の中山さんのパフォーマンスは「ドスン!」とした塊感がありますよね。
真山 しっかりした感じ。あと、ダンスはすごく激しくなった。
小林 キレキレ。
柏木 バレエをやってたこともあってメンバーの中で一番体幹がしっかりしてるので、ダンスのキレがすごいんですよ。だから、「曇天」でのソロダンスも全くブレない。
―中山さん、いかがですか?
中山 なんだろう……?
安本 みんなは褒められて照れてたのに、1人だけなんとも思ってなさそう(笑)。「ああ、そう。言ってろ言ってろ」みたいな(笑)。
真山 そんなところもいいよね!
中山 (笑)ダンスは3歳ぐらいから習ってて、ステージで何かすることがすごく好きで、小学生の頃からバレエの発表会でソロで踊ったりもしてて、その影響でアイドルに憧れるようになったので、今、こうして活動できてるのが自分でもすごいなって思います。
―最初の頃はおっかなびっくりに見えていたんですけど、今みたいに堂々としたパフォーマンスができるようになったきっかけはあるんですか?
中山 自分の中では変わってないんですよ。初対面だと今みんなが言ってたように見られがちなだけで。
―じゃあ、ステージ上でも変わったとは思わないですか?
中山 自分なりの表現をするっていうことを先生たちに教えてもらって、それから自分を出せるようになっていったんだと思います。
―なるほど。そういうことだったんですね。ありがとうございます! さて、前作『エビクラシー』辺りから曲調にさらなる幅が生まれて、大人な雰囲気の楽曲が増えてきたと思うんですが、それについてみなさんはどう感じていますか?
星名 ありがたいですね。私立恵比寿中学という名前が付いてることで、これまでは<中学生感>というものをずっと求められてきたんです。だから『エビクラシー』よりも前の私たちにとって、中学生感っていうのは「とりあえずがむしゃらになんでもこなす」ということだったんです。だけど今はいろんな曲に挑戦させてもらえるようになったことで、私立恵比寿中学という名前にとらわれる必要がないんじゃないかっていう意識に変わったんです。今は曲にグループが助けられてるし、素敵な曲を作ってくださる作家のみなさんにも助けてもらってると思います。
―みなさん、当たり前のように様々なタイプの曲を歌いこなしてますけど、相当器用ですよね。
小林 ええ~っ!?
星名 いや、毎回苦戦してますよ!
真山 やっていくうちに馴染んだらいいなっていう感じだし、全然器用じゃないです。
星名 ライブで成長って感じだよね。
柏木 確かに。
―でも昔から、珍曲から名曲まで幅広くフォローしていて。
小林 あはは!
星名 いろんな曲をやってきたから、抵抗なくなんでも受け入れられる態勢が整ってるのかもしれない。
安本 素直に受け止めて、全力でやってます。
―では、今考えるエビ中らしい曲ってなんだと思いますか?
小林 なんだろう?
安本 なんだろなんだろ。
真山 私が思うライブのエビ中のイメージは、一番新しいアルバム『MUSiC』で言うと「元気しかない!」ですね。歌パートがありつつ、コント的な要素もあって。あと、6人が横一列で手を回す振りがあるんですけど、それもエビ中ぽいなあって。楽屋でやる気に満ち溢れているときの雰囲気に近いですね。
星名 そうだね。普段の私たちに近いね。
―今のエビ中らしさはあの曲に集約されてるんですね。
真山 最近はいろんな作家の方のニュアンスに6人のイメージを合わせてレコーディングすることが多いんですけど、あの曲だけは「好きなようにやっていいよ」って言われました。
小林 <永遠に中学生>って言ってるからこそアホにもなれるし、でもその反対に大人な楽曲も歌えるようになってきたのはすごいなって思います。
―中学生コンセプトにハマらない世界観を自分たちの手で押し広げているところにファンも可能性を感じているんじゃないかと思っています。さて、新曲「トレンディガール」ですが、何か意識したところはありますか?
星名 この曲は意識しまくりですね。みんなのニュアンスを揃えることを徹底しました。声質は違えどひとつの世界観……1人のなかに6つの声が入ってるようなイメージ。だから、ひとつのものを作ってる感覚がいつも以上に強くありました。
―この6人の特徴的なヴォーカルを合わせるのは大変そうですね。
安本&小林 難しかったねえ。
星名 仮歌をかなり意識しました。
柏木 全員のニュアンスが一緒っていうのはこれまでなかったので、すごく新鮮でした。