ブレット・ヘイリー監督が語る音楽映画への憧れ「影響源は『リンダ リンダ リンダ』」

映画『ハーツ・ビート・ラウド たびだちのうた』で主演を務めたカーシー・クレモンズとブレット・ヘイリー監督(Photo by Jon Pack)

昨年のサンダンス映画祭やSXSW映画祭で話題となったカーシー・クレモンズ主演最新作『ハーツ・ビート・ラウド たびだちのうた』が、6月7日より日本公開を迎える。それに先駆け、本作のメガホンを取ったブレット・ヘイリー監督のインタビューが到着した。

―観終わったあと、心が温かくなるような映画でしたが、この映画を作るきっかけは何だったんですか?

共同脚本家のマーク・バッシュと僕は『すべてをあなたに』(1996年、トム・ハンクス主演)や『ハイ・フィデリティ』(2000年、ジョン・キューザック主演)、『リンダ リンダ リンダ』(2005年、山下敦弘監督)のような音楽についての映画、音楽の持つパワーを描く映画、そして音楽を作る過程を描く映画に刺激され、そういう映画をいつか作ってみたいという思いを持ち続けていました。今回の製作にあたっては強くインスピレーションを受けた作品だと思います。そして、その上で、僕たちが撮る作品は父と娘の物語であり、家族の物語、何か望みを実現しようとする話にしたいと思っていました。音楽とそれに伴う感情全てを通じて世界に幸福をもたらしたいという気持ちから生まれた作品です。

―この作品には父フランクと娘サムの目線という二つの視点が存在し、どちらにせよ観客は自身の家族について考えるようになると思います。元々このような二つの視点が存在する作品を考えていましたか?

その通りです。この映画は2人とも主人公で、フランクとサム両方の本能的な視点から作品に観客が入れるように意識していました。この映画は公平に二人の立場を描いた作品です。映画を観たすべてのひとの心に何かを残してくれると思います。

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Photo by Jon Pack

―ニック・オファーマンとカーシー・クレモンズという、作品にぴったりなキャスティングですが、最初からイメージにあったんですか?

ニック・オファーマンは僕が『ザ・ヒーロー』に出演してもらった時に、フランク役にぴったりだと思っていました。カーシーは長いオーディションの過程を経て決まりました。監督として、僕は役者へキャラクターになりきるよう要求するけれど、二人はその難しい注文を見事にやってのけてくれました。

―ほかのキャスティングも最高でしたが、特にトニ・コレット、サッシャ・レイン、ブライス・ダナーという女性陣が素晴らしかったです。キャスティングに関して、何かエピソードなどありましたか?

この俳優陣がキャスティングできたのは、魔法のような幸運だったと思っています。むしろ僕が教えて欲しいです。なんでこの小さな規模の作品に出てくれたのか?って。

―音楽がとてもよく、また物語のキーにもなっていると思いますが、キーガン・デウィット を起用したきっかけは何だったんですか?

キーガンとはもともと一緒に作品をやってきた経験から、再び一緒にやりたいと思っていました。彼が才能に溢れていて、こちらが期待する以上の音楽を提供してくれることはわかっていたましたから。今回も彼に絶対的な信頼を寄せていました。

Rolling Stone Japan 編集部

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