ボブ・ディランが10数年ぶりにインタビューに応じた、スコセッシ監督の新作映画 

1975年の伝説のツアーローリング・サンダー・レヴューの時のボブ・ディラン

Netflixの最新作は、マーティン・スコセッシがボブ・ディランの1975年の伝説のツアーを主題にしたドキュメンタリー映画『ローリング・サンダー・レヴュー:マーティン・スコセッシが描くボブ・ディラン伝説』だ。本作では、10数年ぶりに、ディラン自身がカメラの前でこのツアーについて語っている。「失敗だよ、利益に関して言えばね」と、レジェンドは語った。

Netflixが『ローリング・サンダー・レヴュー:マーティン・スコセッシが描くボブ・ディラン伝説』の最初の予告編を公開した。これはスコセッシが監督したドキュメンタリー映画で1975年の伝説のツアーを主題にしている。この作品は現地時間6月12日からNetflixで配信が開始され、全米のいくつかの劇場でも公開される。また公開に先立ってCD14枚組の『ローリング・サンダー・レヴュー 1975年の記録』も全世界同時発売される予定だ。

スコセッシは2005年に『ノー・ディレクション・ホーム』というボブ・ディランのドキュメンタリー映画をすでに手がけており、今回でドキュメンタリー2作品目となる。この作品ではディランが10数年ぶりにカメラの前でインタビューに応じていることも話題だ。

「失敗だよ、利益に関して言えばね」と、予告編でディランは件のツアーに関して述べている。「人生は自分探しじゃないし、何かを見つけることでもない。自分自身を作り出すことこそ人生なのさ」と。

「政治も経済も社会も疲弊しきっていた1975年のアメリカを縦断すべく、ボブ・ディランはミュージシャンを集めて、全員を1台のバスに乗せて出発した。彼らは創造性を発揮できる新たな領域を探し求めていた。ローリング・サンダー・レヴューと名付けたこのツアーはディランの貴重な姿を明らかにする。おどけるディラン、マスクをつけたディラン、緊張するディラン、開放的なディラン、元気を取り戻したディランがそこにいる」と、Netflixはこの映画を説明する。

そして、「変化するアイコンとしてのディランと変化する国内情勢の両方を優れた技量でしっかりと表現しながら、マーティン・スコセッシ監督は何十年も放置されていた記録映像を使って物語を紡いでいる。そしてリストアされて鮮明になった画像が、見る者に新たな地平線を求めた自由気ままで感動的な彼らの音楽ギャンブルを追体験させる。ディラン自身のたゆまぬスピリットに触発されたスコセッシは、巧みな手練で圧倒し、ノスタルジックな夢想家、ボクサー、ミュージシャン、あらゆる種類のスターの卵と証人を集結させて、通常のドキュメンタリー作品の限界を打ち破っている」と続く。

『ローリング・サンダー・レヴュー:マーティン・スコセッシが描くボブ・ディラン伝説』では、ジョアン・ベイズ、ルービン・“ハリケーン”・カーター、サム・シェパード、アレン・ギンズバーグなど、ツアーに参加していた人々にも焦点を当てている。

米現地時間6月7日金曜日、ディランは『ローリング・サンダー・レヴュー 1975年の記録』というボックスセットをリリースする。これまで「コーヒーもう一杯」のリハーサル版が収録されているという情報だけしか公表されていない。CD14枚組のこのセットは、1975年のツアーで行った5公演を完全収録しており、珍しい映像やリハーサル風景の映像なども含まれているという。

Translated by Miki Nakayama

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