ホワイ・ドント・ウィーが語る、5人のルーツとボーイズ・グループの新たな可能性

自身初のジャパン・ツアーを完遂したホワイ・ドント・ウィー(Photo by Kenichi Sasamori)

5月下旬に初のジャパン・ツアー「8 Letters Tour Japan」を行った5人組ボーイズ・グループ、ホワイ・ドント・ウィーにインタビューを実施。エド・シーランのお墨付きでも知られる彼らが、それぞれのルーツとSNSからスタートした音楽活動、新時代のポップアイコンになりつつある現状について語ってくれた。

―ホワイ・ドント・ウィーを結成する前から5人共ソロで活動していたそうですが、改めてそれぞれの音楽遍歴を教えてもらえますか?

ダニエル・シーヴィ:僕は幼い頃からピアノを弾いていたんだ。トイ・ピアノなんだけど、すごく楽しくて、それから色んな楽器をいじるようになった。歌に目覚めたのは9歳の時だったかな。その後『アメリカン・アイドル』に出演して、キャリアとしてミュージシャンもアリだなって手応えを得て、夢を膨らませ始めたのさ。そしてこの4人と出会って、グループで活動するべきだとみんな意見が一致したんだよ。

ジャック・エイブリー:うん。結成前から色んなシチュエーションで顔を合わせて、馴染みになったんだよね。ザックとはXbox Liveで会って、コービンと3人でツアーをやったこともあるんだ。で、僕の音楽人生もピアノから始まって、小学1年生の時から6年間レッスンを受けて、やがて弾きながら歌うようになった。あんまり歌は巧くなかったけど、好きでしょうがなくて。そのあとギターも弾き始めて、YouTubeに映像をアップしていたのさ。

ダニエル:ジャックが歌っている昔の映像を探すと面白いよ(笑)。そんな彼が、今では5人の中で一番広い声域を誇っているんだからね!


2019年に入ってから毎月新曲をリリースしているホワイ・ドント・ウィー。現時点での最新シングルは、5月に公開された「Unbelievable」。

ジョナ・マレー:僕の場合は父親がミュージシャンだったから、よくライブを観に行っていた。そんなわけで影響を受けたのも父親経由の古典的な音楽で、エヴァリー・ブラザーズやビーチ・ボーイズやビートルズを聴いていたんだけど、10代になるとアイヤズとかジェイ・ショーンとか流行の音楽にもはまった。そして12歳の時に行ったジャスティン・ビーバーのライブで、会場一杯の女の子たちが叫びまくってるのを目撃して、「僕もやりたい!」と思わずにいられなかったよ(笑)。それでマジに歌にも取り組んで、ネット上に色々アップしたらどういうわけかフォロワーが増えて、色んなイベントで歌っていたんだ。

コービン・ベッソン:僕も音楽への愛情を両親から受け継いだ気がする。母親は長年ハープを弾いていたし、父親の故郷はニューオーリンズで、あの町には偉大なジャズやブルースの歴史がある。だから音楽に親しんで育って、小学1年生の時からピアノを習ってバッハやモーツァルトの曲を弾いて、次にエレキにハマってロックを聴き漁ったよ。スリー・デイズ・グレイスにシャインダウン、ファイヴ・フィンガー・デス・パンチ……。

ジョナ:だいたい「ギャア~~」って叫んでる系統だよね(笑)。

コービン:そうなんだけど、しばらく経つと今度はアコギにのめりこんで弾き語りを始めた。あと、僕もジャスティンのライブを見て閃くものがあって、音楽スタイルの面でも影響を受けたし、“ティーン・アイドル”というコンセプトそのものに惹かれたんだ。


左からダニエル・シーヴィ、ジョナ・マレー、ザック・ヘロン、コービン・ベッソン、ジャック・エイブリー

ザック・ヘロン:僕も似たようなパターンだね。とにかく幼い頃から音楽が好きで、まずYouTubeで教則映像を見てギターを練習して、最初に覚えた曲はジェイソン・ムラーズの「I’m Yours」だった。それ以来カバー映像をアップするようになって、ジャックが言った通りに3人でツアーをして……。あの頃は、ソーシャル・メディアの世界の人気者を集めたツアーがよく企画されたんだよ。ただ僕はショーン・メンデスがすごく好きで、ソロのシンガー・ソングライターに憧れていたから、グループで活動するとは夢にも思ってなかった。なのに自然にこういう形にまとまったんだよね。ほかの人に誘われていたら「僕は遠慮しとく」って答えただろうけど。

コービン:うん、このメンツだからこそ、グループを結成するべきだと直感的に思ったんだよ。

―なるほど。こうして話を訊いていると、それぞれに異なるルートを辿ったようですね。故郷もみんな違いますし、音楽的接点を見つけるのに苦労はありましたか?

ダニエル:それが、なぜかものすごく簡単だったんだよ。グループとしてやりたい音楽については、みんな意見が一致して。マジな話、どんなことでもたいてい意見が一致するし、口論するってことがない。兄弟だと勘違いしている人も多いくらいなんだ(笑)。

ザック:もしかしたら、全員母親が同じなのかもしれないって感じたりもする。

コービン:だとしたら、すごく複雑な事情があるよね(笑)。こないだまで長い間ひとつ屋根の下で暮らしていて、それなりに成功を収めてようやく一人暮らしを始めたんだけど、今もみんな近所に住んでるんだ。

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