ホワイ・ドント・ウィーが語る、5人のルーツとボーイズ・グループの新たな可能性

―9月には結成3周年を迎えますが、こうして正真正銘のポップスターになったという現実をどう受け止めていますか?

ダニエル:これって恐らく、この世で一番ユニークなライフスタイルのひとつだと思うんだ。全てがごちゃまぜで、パーソナルな生活と仕事の境が見えない。かつ、仕事なんだけど仕事みたいに感じない―みたいな。

コービン:人生が予測不能になったよね。そこが一番興味深いと思う。ノーマルな職に就いたり、普通に学校に通っていたら、一定の規則性があるんだろうけど、僕らの場合は来週の予定すら分からないしね。

ダニエル:だから色んな意味でフレキシブルになる。以前は、前もって決めたことが行なわれないとムカつくタイプだったけど、今は全く気にしない。気にしてもしょうがいないし。

ザック:うん、強迫神経症を治療できた気がする(笑)。

ジャック:結果的には、全員この3年間に大きく成長したと思うんだ。

コービン:特にザックは最年少で、結成当時15歳だったんだよ。その若さで、故郷ダラスから遠く離れたLAに独りでやってきたわけだから、一番大きく変わったんじゃないかな。ほかの4人も17~18歳だったし、以来たくさんの旅をして、アメリカとは異なるカルチャーに触れて、大勢の人と出会って、プロとしてビジネスを学んで、猛スピードで大人にならなくちゃいけなかった。ひたすら学んで成長するしかなかった。おかげで、ユニットとして結束を固められた気がするよ。

―何かあれば、お互いに相談して支え合うことができますしね。

コービン:まさにそうなんだ。1人が落ち込んだら全員が落ち込んで、グループとしてのエネルギー値がダウンしちゃうんだよ。5人の関係であれ、外部の人たちの関係であれ、ぎくしゃくすると悪い影響がすぐに出る。だから常にポジティブであろうと努力し、正しいことを行なおうとしているんだ。浮足立つと、目標を見失っちゃうからね。

ジャック:うん、さっきも言ったけど、私生活とキャリアの境がボヤけちゃうから、頭の中の一部分を、常に自分自身のために囲って確保しておくのが重要なんだ。私生活の領域まで、仕事で埋められちゃうから。毎朝仕事に行って、夜は家に帰れるんだったら気分を切り替えられるけど、今の僕らはスイッチをオフにできない。だからこそ、グループで本当に良かったと思う。

ジョナ:うん。ソロだったらめちゃくちゃ寂しかったと思う。

ジャック:頭がおかしくなっちゃうよね。実際そういう例が少なくないし、最近ミュージシャンのメンタルヘルスが大きな問題として取り上げられている。でも5人いれば、くだらない遊びでストレスを発散できるんだ(笑)。

コービン:でも、旅をして、人と会って、色んなことを吸収するのに最適な時期だし、みんなで素晴らしい体験を分かち合って楽しんでいるよ。

―ファンの叫び声にも慣れたんじゃないですか?

ザック:イエス!

ダニエル:正直に言うと、慣れちゃった自分が怖いよ。よくよく考えたら、こんなのアブノーマルな状況だからね(笑)。

コービン:うん。例えばローラーコースターに乗ってる時とか、自分の周りで誰かが叫んだら、「え、僕のこと?」と思ってドキっとしちゃうんだ(笑)。


エド・シーランが手掛けた「Trust Fund Baby」は、5月21日に日本テレビ系「スッキリ」に出演した際も生パフォーマンスで披露された。

―いわゆるボーイズ・グループは音楽界の定番フォーマットとして脈々と受け継がれてきたわけですが、2019年現在アメリカ最大のボーイズ・グループであるあなたたちは、その系譜に何をプラスできたと思いますか?

コービン:まず僕らは、この系譜が途切れないように、バトンをしっかり握って走ってると思う。ボーイズ・グループのルーツはビートルズだとして、ビートルマニアが一世を風靡したのはもう半世紀以上前だけど、それ以来ずっと進化し続けているよね。最近だとバックストリート・ボーイズやイン・シンクのインパクトが大きくて……。

ジョナ:そしてワン・ダイレクションが登場した。

コービン:うん。彼らは前の世代とは違うポップロック志向だったけど、僕らの世代の音楽の主流はアーバン・ミュージックだよね。ヒップホップやトラップが人気で、これらがポップの世界に流れ込んで面白いことが起きている。僕らのスタイルはそこに根差していると思うんだ。

ダニエル:でも、まだまだグループとしては赤ちゃんだし、この先どう転ぶが分からないよ。

コービン:この先もたくさん音楽を作りたいし、何度もステージに立ちたいしね。

ダニエル:5年後にまた会おうよ。5年後ならその質問にちゃんと答えられると思うから!

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