アシュトン・カッチャーが連続殺人事件の裁判で証言、犠牲となった女友達は47回刺される

米ロサンゼルスのクララ・ショートリッジ・フォルツ刑事裁判所に出廷し、マイケル・トーマス・ガーギーロ被告の裁判で証言するアシュトン・カッチャー。(Photo by Genaro Molina/POOL/EPA-EFE/REX/Shutterstock)

アメリカ時間29日、俳優のアシュトン・カッチャーがマイケル・ガーギーロ被告の裁判で証言した。連続殺人の疑いがもたれているガーギーロ被告は、カッチャーの女友達アシュリー・エルリンさん他1名の殺人事件で起訴されている。

カッチャーの証言によれば、2001年2月21日、彼とエルリンさんは外食する約束をしており、カッチャーがハリウッドにある彼女のアパートに迎えに行く予定になっていた。2人が最後に言葉を交わしたのはその日の夜8時24分、カッチャーが待ち合わせを確認する電話をしたのが最後だった。警察では、エルリンさんが殺されたのは電話を切って間もないうちで、シャワーを浴びて出てきたところをガーギーロ被告に後ろから襲われ、殺害されたとみている。被告は彼女を47回刺した後、現場から逃走したとみられる。

カッチャーの証言によれば、エルリンさんの家に到着したのは夜10時45分ごろ。呼び鈴を鳴らしても返事はなかったが、室内の明かりがついていることに気がついた。カッチャーは何度か呼び鈴を鳴らしたが、彼女がデートを「すっぽかした」と思い込み、友人の家に向かってグラミー賞の中継を見たと述べた。

ぞっとする話だが、エルリンさん宅を後にする前にカッチャーが窓から中をのぞいたところ、本人は「赤ワインのようなものがカーペットに飛び散って」いるのが目に入ったという。「でも、(前々日に)彼女の家でホームパーティがあったので、怪しいとは思いませんでした。大学のパーティか何かです。だからあまり気に留めなかったんです」

証言によると、翌日カッチャーのもとに警察が訪れ、エルリンさんの遺体がルームメイトによって発見されたと告げた。カッチャーが言うには、自分がエルリンさんのアパートのドアを開けようとしたときに指紋がドアに付着していたため、警察から容疑者とみられているのではないかと「取り乱した」という。だが警察は、彼は容疑者ではないと断言した。

「ハリウッドの切り裂き魔」と呼ばれたガーギーロ被告(43歳)は、2件の第1級殺人罪および1件の殺人未遂罪に問われている。2001年のエルリンさん殺害事件の他、2005年にマリア・ブルーノさん(当時32歳)を刺し殺した事件でも起訴されている。さらに、1993年にイリノイ州で起きた、当時18歳だったシカゴ在住のトリシア・パカッチョさん殺傷事件でも嫌疑がかけられている。

元ボディガードでエアコン修理工だったガーギーロ被告は、被害者を襲う前に念入りなストーカー行為を行っていたとみられる。被害者の大半は若く美しい女性で、エルリンさんの場合は女優志望のファッション学校の学生。夜はストリッパーとしてアルバイトをしていた。ガーギーロ被告は、タイヤがパンクしていたエルリンさんに手を貸すことで、彼女の信頼を得たとみられる。事件直前、被告は彼女の家に突然現れ、自宅周辺をうろつく姿が目撃されている。

検察側は、ガーギーロ被告に死刑を求刑。被告は無罪を主張している。ダン・エイクモン地方検事補は冒頭陳述で、ガーギーロ被告を「女性の自宅付近で、ナイフで襲い掛かるタイミングを探るのが趣味」の残忍な殺害者だと呼んだ。

Translated by Akiko Kato

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