MOROHAインタビュー「矛盾こそが真骨頂、2つの真実を100%の気持ちで歌える強さ」

ー前作に収録されている「四文銭」のリリックに、仲間が辞めていくことを「寂しいな やっぱいないのか」と歌っている箇所があります。僕はミュージシャンではないけど、同じ仕事をしている人が辞めていくという部分ですごく染みる部分があって。周りの仲間がいなくなるからこそ、自分で自分を盛り立てていかないといけないのかなと思ってしまって。



アフロ:張り合う相手いないですか? 絶対いるっすよ。それは(インタビュアーの)西澤さんが出会いを怠けているんだと思いますよ。俺らも同じようなことを思うことはありますけど、悔しさの標的を広げたらいっぱいいるんですよ。例えば、嵐に対して悔しいと思える自分がいるかどうかだと思うんですよね。メジャー・レーベルで一緒に仕事をすることによって、例えばユニバーサルにナメられた事に腹が立って「ストロンガー」が生まれたり。同期で言ったら歌詞にも出てくるけどSUPER BEAVERみたいにガッツリ結果を出してやっている人たちがいる。幸せなことですよね、悔しさを感じる相手がずっといるというのは。

ーそうやって自分たちより上にいる人たちに常に目を向けられるのはなぜなんでしょう。

アフロ:下なんて眼中にないでしょ。

ー常に上を向いている。

アフロ:うん。

ー正直、世の中には頑張れないとか、熱くなれない人もいると思うんです。そういう人からすると、MOROHAの楽曲って耳を塞ぎたくなるようなこともあるのかなと思って。でも、よく聴くとアフロさんは聴いている人たちに対して「これをやれよ」とか言っているわけではなくて。だからこそ、MOROHAの言葉って、アフロさん自身にも言っているんじゃないかと思ったんです。

アフロ:ぶっちゃけて言えば、それは手法ですよ。最終的に説教臭くなっちゃうのは嫌だから。例えば、仮にこうした方がいいのになと思うことを、自分に対して言っているスタンスをとることで、その人に説教臭くなく伝わるのかなという思いもあります。自分自身まだまだ至らない部分がたくさんあるから、そこを倒していかなきゃいけないなという思いもある。1stの曲の中でも言っているんですけど、頑張れって言われるよりも、頑張っていることを見せることが、その人に対する1番のメッセージになる。それは心から思っていることです。頑張れって言われても人は頑張れないですよ。

ー聴いている人が自然と感化されることが理想的だと。

アフロ:そこまでいったら嬉しいですけどね。逆に「こんなに一生懸命やっている人間がいるんだったら俺にはできないと思いました」って言う人がいても俺は同じくらい嬉しいんですよ。別に俺はいい人間でもないから、みんなのためにやっているわけではないし、MOROHAが出会わなきゃよかったという音楽であってもいい。何かしらその人に触れた証が残ればいいというか。

Rolling Stone Japan 編集部

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