『ゲーム・オブ・スローンズ』製作総指揮者がスターク姉妹やドラマの結末について語る

ー瞬時に反響が来るソーシャル・メディアの時代にこれほどまでに注目を浴び、常に物議を呼ぶような超大作を作ったことで、あなた自身にどのような変化がありましたか?

自分がやっていることに対してリアルタイムでコメントしたいと思うほど関心を持ってくれているというのはうれしいことだ。ソーシャル・メディアはこのドラマを見ている多くの人にとって中核となるものだった。とは言うものの私たちはそういったものにあまり関与していない。そこにかかる時間とエネルギーが主な理由だ。ドラマの製作自体がフルタイム以上の仕事だからね。自分たちはできる限りいい作品を作ってみんなが楽しんでくれることを願う。彼らが、もし、いいと思わなかったらその感想を外に出さないわけがないことはわかりきっているからね。

ーデイヴィッド・マメットが「テレビの製作は死ぬまで走り続けるようなものだ」と言っていたことについて言及されていましたが、あなた方は今までに誰も見たことがないようなドラマを作りながらどのように“生き抜いた”のですか?

まだ生き抜いたとは言えないよ!まだ終わってないから。生き抜くだろうけどね…。たくさんの献身的ですばらしい人たち(その内の2人はあなたの雑誌のこの号の表紙を飾っている)とこの旅をすることができて私たちはとても幸運だった。私たちはみんなでそれを達成し、お互いのおかげでみんなが乗り切ることができた。

ーこの長い年月の間でメイジーとソフィーに驚かされたのはどのような点でしたか?

1つはオーディションですばらしかったこと。もう1つは何百人もの人に囲まれて、日が沈む前にもう1テイクの時間しかないような状況で、しかもたった12歳だというのに、しっかりと力を発揮していたことだ。彼女たちがプレッシャーの中でもすばらしい演技ができるというのは撮影開始当初から明らかだった。それが彼女たちにとって人生初の撮影だったにも関わらずね。でも、撮影開始当初からすばらしかった2人ではあるが、その後彼女たちがその役に重ねていく深みや繊細さ、現場で伸びていく技術はその時の私たちの想像を遥かに超えるものであった。彼女たちは天性の才能を持っていたのかもしれないが才能のおかげで彼女たちは今の位置にいるのではなく懸命の努力の賜物だ。彼女たちはいつも真剣な演技をしているわけではないかもしれないが真剣な俳優なんだ。

ソフィーとメイジーに関するもう1つの驚くべきことはこんなサーカス団のような環境の中で育ったにもかかわらず2人がまともにしっかりと育ったこと。彼女たちはもともと育ってきたのとは全く違うライフスタイルに適応する術を身に付けたが、そこに付随して得られるような恩恵も時に精神的な負荷になり得る。それによって壊れてしまう人もいるけど彼女たちは壊れなかった。少しもね。むしろ彼女たちは撮影が始まる前よりも強くなったよ。

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ニューヨークの『ゲーム・オブ・スローンズ』ファイナルシーズンのプレミア試写会でのベニオフとワイス Photo credit: Marion Curtis/REX/Shutterstock

Translated by Takayuki Matsumoto

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