自己啓発団体を隠れ蓑にセックスカルトと化した「主人」と「奴隷」の異常な関係

ニューヨークのブルックリン連邦裁判所を後にするローレン・ザルツマン(Photo by Seth Wenig/AP/REX/Shutterstock)



主人が奴隷に命じた「自己否定」活動とは?

DOSの奴隷たちの大半は、自慰行為を控えたり、1日の食事を1500キロカロリーに制限したりするなど数々の「自己否定」活動に参加するよう命じられた。またラニエール被告を性的に興奮させることも命じられたが、ザルツマンはこれを「任務」と呼んだ。ザルツマンが言うには、勧誘した奴隷はみな被告と関係を持っているとマックから聞かされるまで、任務のことは知らなかったという。このことをラニエール被告に問いただすと、被告は女性たちとは寝ていないと答え、任務の目的は「男性優位になりがちなシチュエーションで、男性が優位ではない状況」を女性に提供することなのだ、と言った。

「彼は、それが女性たちの成長につながると考えていたのです」とザルツマンは証言した。

DOSメンバーはまた、不適切とみられる行為に対して「お仕置き」を受けねばならなかった。レザーストラップで鞭打ちするお仕置きでは、ラニエール被告はしばしば別室からスピーカーフォンで指示を出していた。「彼はスピーカーフォンから、ちゃんと手首を強くひねるように、と指示しました」とザルツマンは言った。また仲間のDOSメンバーの一人ダニエラ・パディーヤが、「お高くとまっている」という理由で被告から一度暴力を受けたことも証言した。「床に横たわる彼女を、彼は蹴り飛ばしたのです」と、ザルツマンはパディーヤの話を繰り返した。

ラニエール被告はまた、建物に地下牢を作る計画を立てており、パディーヤはお仕置き用の道具として多種多様なBDSMグッズを買いそろえた。このことは、セックスグッズ会社のオーナーも先週証言している。パディーヤは檻も発注していたが、2017年にDOSの活動が公になった直後、注文をキャンセルした。

時を同じくして、DOSの元奴隷でザルツマンの長年来の友人サラ・エドモンソンが、DOSの「焼印」はたちの悪い自己啓発のシンボルではなく、実はラニエール被告のイニシャルであることを突き止め、脱会した。エドモンソンの夫はネクセウムのイベントで、皆が見ている前でザルツマンにDOSのことを問いただし、グループの他のメンバーもDOSの存在を知るべきだと詰め寄った。2017年後半、ニューヨーク・タイムズ紙が焼き印の写真つきで、エドモンソン氏の暴露インタビュー記事を掲載したのがきっかけで、集団の存在は広く知れ渡ることになった。

ネクセウムにまつわる悪評に対し、ラニエール被告は損害を最小限に食い止めようとした。ザルツマンの証言によれば、被告はただちにDOSの一軍奴隷たちに、被告がDOSの存在を知っていたこと、女性たちが自らの意思で焼印を入れたことは伏せておくよう指示を出した。また、バー・アルファ・ミューという名前で集団専用のWEBサイトの作成を命じ、焼印は自分のイニシャルではなく、ギリシャのシンボルであることをネクセウムの他のメンバーに伝えるよう指示した。

ラニエール被告は公式声明文も作成した。DOSの存在を擁護しながらも、自らの関与は否定するという内容だった。声明文は裁判でも読み上げられたが、メディアに批判の矛先を向け、同意のもと活動に加わった女性たちを糾弾し、率先して「女性の権利や第2のライフスタイルに反対するキャンペーン」を行っていると非難した。またメールには、DOSのメンバーを独立宣言の作者になぞらえた箇所もあった。

Translated by Akiko Kato

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