ギリシャの大富豪、プライベートジェットに大麻の苗木5000本を積み逮捕

アルキヴィアデス・ダヴィード氏が所有する企業の中には、スイスのカンナビジオール製造会社もある。(Photo by Mark Lennihan/AP/REX/Shutterstoc)

ギリシャのCoca-Colaボトリング社の御曹司、アルキヴィアデス・ダヴィード氏の資産額は推定28億ドル。2012年に2パックのホログラム映像をコーチェラに登場させたことで有名なHologram USA社の創業オーナーでもある。

だが、Hologram USA社は数々の裁判を抱えていて、ダヴィード氏本人も性的暴行とセクシャルハラスメントで訴えられた経験を持つ。訴訟を起こした元女性社員は、ダヴィード氏が身体を触ったり、ストリッパーをオフィスに呼んだり、わいせつな写真を見せたとして訴えていた(原告は1100万ドルの賠償金を勝ち取った)。

14日、ダヴィード氏は再び渦中の人となった。1300万ドル相当の大麻の苗木および種子をプライベートジェットに積んでいたとして、カリブ海に浮かぶ島国セントクリストファー・ネイビスで逮捕されたのだ。

ヴァニティフェア誌によれば、セレブリティたちをプライベートジェットに同乗させ、セントクリストファー・ネイビスに上陸した。俳優のジョナサン・リース=マイヤーズが妻と義理の母と搭乗していたほか、衛星放送局Dish Networkの共同創業者で会長の大富豪、チェイス・エルゲン氏の姿もあった。機内から5000本近い大麻の苗木と種子、そしてカンナビジオール製品など、合計130万ドル相当の大麻製品が押収され、ダヴィード氏は麻薬密輸の疑いで逮捕された。

ダヴィード氏の言い分としては、大麻の輸送は正当なものだと主張。セントクリストファー・ネイビスに入国したのは「現地で合法的な大麻ビジネスを開発するため」だったと、デイリーメール紙に語った。たしかに、4月30日付のプレスリリースでは、大麻合法化を進めているとするセントクリストファー・ネイビス政府の公式発表をうけ、ダヴィード氏とエルゲン氏が「東カリブ諸国での大麻ビジネス開発」を視野に入れたコンソーシアムを結成したと発表している。

だが、セントクリストファー・ネイビスの税関職員はこうした計画を通知されていなかったようだ。11日、プライベートジェットの乗客は上陸から8時間拘束された。その後乗客は解放されたが、ダヴィード氏は13日に出国を試みたとして逮捕され、30万ドルの保釈金で釈放された。ダヴィード氏は9月23日に出廷し、規制薬物所持、規制薬物密輸および配布目的での所持容疑で罪状認否を行う予定。

ダヴィード氏は、法務担当者を通してデイリーメール紙に声明を発表し、「セントクリストファー・ネイビス当局との問題は解決済み」であると述べ、「引き続き同国での大麻ビジネス開発計画を推し進め、同国民にさらなる繁栄をもたらすつもり」だと語った。

Translated by Akiko Kato

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