ドイツで「中世セックスカルト」のメンバーとみられる3名が、矢で射られて死亡

ドイツ人の中世愛好家3人がホテルの客室で遺体となって発見。さらに被害者の自宅からは別の2人の遺体も。(Photo by Christophe Gateau/dpa/AFP/Getty Images)

11日、ドイツのホテルでクロスボウ(洋弓銃)で撃たれた3つの死体が発見され、うち1人の自宅で別の2人の遺体が見つかった。

遺体のひとつは女性で、首を矢で射られて死んでいた。残る2人は男性と女性で、ともに心臓を射抜かれ、固く抱擁した状態で死亡していた。その後3人は、トルステン・ヴァイス(53歳)、カースティン・エンダース(33歳)、ファリナ・カスパリ(30歳)であることが確認された。ヴァイスとエンダースはサイドテーブルに遺書を残していたと報じられている。警察当局は遺書の内容に関するコメントは避けたものの、事件はおそらく「契約殺人および自殺」によるもので、カスパリがヴァイスとエンダースを射殺したあと自殺したのではないか、という当局の見解を発表した。

5日後、事件はさらに奇妙な方向へと展開する。ホテルから数百マイル離れたカスパリのアパートで、さらに2人の遺体が発見された。死因は明らかにされていないが、現場からはクロスボウは発見されなかった。報道によれば、被害者のうち1人はカスパリの35歳の恋人で、もう1人は19歳女性。こちらの身元はまだ特定されていない。

警察は当初ホテルの現場に困惑していたが、その後、英BBCが報じたところでは、客室で死んだ3人は馬に乗って槍で戦う中世のスポーツ、ジョスリングの国際連盟に関与していたという(国際ジョスリング連盟の広報担当者は、連盟は3名について何も知らず、ドイツでは現在ジョスリング競技大会は行われていないと述べた)。

ヴァイスはドイツのハーヘンブルクで店舗を所有していたも言われ、武器の販売や殺陣のクラスを開催していた(もっとも、血しぶきを浴びたセクシーなマネキンや、テンプル騎士団の旗、ギターといった様々な商品が並ぶ店の写真を見る限り、ヴァイスの店舗コンセプトは一貫性がなかったようだ)。事件のあとドイツのマスコミは、ヴァイスが中世をテーマにしたカルト団体を主宰し、女性を性奴隷にしていたらしい、と報道した。友人の一人はドイツのBild誌に、女性と会話するときのヴァイスの口調が「変だった」と語った。

「女性たちはまるで従順で、私と話すのを禁じられているような印象を受けました」と友人であるアレグザンダー・クルーガー氏は述べた。「彼の口調はとても厳しかったですね。ものすごく厳しかった。会話するという雰囲気ではなく、簡潔で、威圧的でした」。捜査は今も継続中だ。

Translated by Akiko Kato

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