気鋭のアーティスト、SIRUPが支持される理由「目線をお客さんと合わせる」

SIRUP(Photo by Masato Moriyama 衣装協力:Levi’s®)



イベント出演を終えた数日後、SIRUPはグレーのパーカーとゆるいパンツ、そして黒色のニットキャップというスケーターのような格好で、レコーディングスタジオに現れた。今日はここで、5月29日に発売する1stフルアルバム『FEEL GOOD』に収録予定の楽曲を制作・録音する。隣にいるのは、SIRUPの盟友・TENDREだ。彼とは昨年6月にライブで共演したことをきっかけに、仲良くなったそう。

「SIRUPとTENDREが出てきたのって同じくらいの時期で、最初はお互いちょっとライバル意識があったというか。でも、お互いの曲を聴いて『めっちゃええやん』ってなって、実際に会ったらバチっと感覚が合って、すぐ親友みたいになったんです(笑)」

その感覚を曲に封じ込めるべく、今回は「SIRUP feat. TENDRE」名義で楽曲を作ることになったという。13時を過ぎると、TENDREが持ってきたトラックを二人で確認する。全体の構成やどうやって二人が曲のなかで掛け合っていくかなどを話し合って調整したり、一つひとつの音色を選んだ理由をTENDREからSIRUPへ共有したり。細かく丁寧にこだわりながらも、二人の「YES / NO」の判断にはほとんど迷いがなく、1時間後にはトラックの概ねの構成が決まっていた。そこから、ギターやベースを録音。そして、二人で相談しながら歌詞を書き上げていき、歌を録っていく。丸2日間で、新曲「PLAY」は完成。こういった作り方をするのは、今回が初めてだそうだ。


TENDREと楽曲制作・レコーディングをしている様子。二人がともに制作した楽曲「PLAY」は、5月29日発売のニューアルバム『FEEL GOOD』に「PLAY feat. TENDRE」として収録される。(Photo by Yukako Yajima)

「やってみて、こういう作り方が一番いいなって思いました。普段は、95%くらい完成させた状態でレコーディングに持ってきて、プロデューサーがついてる曲ならその方と現場で相談したりして録音していくんですけど。そもそも、今回は二人が持っている緩さみたいな感覚の一番いいところを、自然にパッケージできたらいいなと思って。僕もめっちゃ無名の頃からいろいろ経験して今があって、TENDREもいろいろあっての今で、だから、ある種の『緩さ』を共有できるんですよね。でも、その緩さを体現できるのって、これまでの積み重ねによる経験があるからなんですよ。今回、こういうやり方でめちゃくちゃベストな感覚をパッケージできたのは、僕としても人生で大事なことだったなと思います」

二人が作り上げた「PLAY」は、大枠だけ言えば、着飾って気を張って出かけるのではなく、ラフな服で、なにも気を遣わず、不安事も忘れて、時間も気にせず緩く遊んでいる様が描かれている。それを二人は、理想として求めているから歌っているのではなく、実際にそういった生き方を体現できているからこそ歌えている。だからこそ楽曲には独特の説得力が帯びているし、「自分もこう生きたい」という憧れの心をリスナーに与えることもできる。

二人が作り上げた「PLAY」は、大枠だけ言えば、着飾って気を張って出かけるのではなく、ラフな格好で、なにも気を遣わず、不安事も忘れて、時間も気にせず緩く遊んでいる様が描かれている。それを二人は、理想として求めているから歌っているのではなく、実際にそういった生き方を体現できているからこそ歌えている。だからこそ楽曲には独特の説得力が帯びているし、「自分もこう生きたい」という憧れの心をリスナーに与えることもできる。

レコーディング中に印象的だったのは、お互いに「ちょっと走ってる感じがするから、もうちょっと歩く感じがいいと思う。肩の力抜く感じでいこう」とディレクションし合っていたこと。実際にその言われたあとのテイクには「緩さ」が増していた。力の抜き方を覚えることは人生を生き抜くために必要なスキルのひとつであるし、そういった「緩さ」を丁寧に表現するには音楽的なスキルを身につけなければできないことだろう。

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