エルトン・ジョン伝記映画、制作陣、本人が語る『ロケットマン』にかける思い

映画『ロケットマン』で、エルトン・ジョンを演じるタロン・エガートン(David Appleby/Paramount Pictures)

日本では8月に公開予定のエルトン・ジョンの伝記映画 『ロケットマン』。幻想的な要素を兼ね備えたエルトンの壮大なミュージカルは、ただの伝記映画ではないようだ。主演俳優や制作陣、そしてエルトン・ジョンが語る、本作にかける思いとは?

デクスター・フレッチャー監督がエルトン・ジョンに関する映画を手がけることが決まった時、『ボヘミアン・ラプソディ』や、『ウォーク・ザ・ライン/君につづく道』のような、伝統的なドキュメンタリードラマが受け入れられるとは思っていなかった。「エルトンはファンタジーであり、イマジネーション、そして魔法なんだ」と、フレッチャーは語る。「私たちは、彼の楽曲を、単なる伝記映画以上のものにできるよう、効果的に演出しようと思っていた。そして私たちは彼の人生や、彼の人生に起きた出来事を映し出した、マジカル・ファンタジーを作りたいと思っていた」

その結果、全米5月31日に公開となる(日本では8月23日公開予定)『ロケットマン』では、「土曜の夜は僕の生きがい」に合わせて、カーニバルの群衆がダンスを踊るようなファンタジックな要素を交えながら、エルトンの人生を精巧なミュージカルとして描きだしている。また、『ボヘミアン・ラプソディ』ではラミ・マレックがフレディ・マーキュリーらの楽曲に合わせてリップ・シンクをしていたが、『ロケットマン』のタロン・エガートンは、すべての楽曲を自ら歌唱している。「ミュージカルは、歌ですべてを表現することなんだ」と、彼は語る。「もし自分で歌っていなかったら、何も表現していないことになってしまう」

映画は90年代初頭、エルトン・ジョンがドラッグやアルコールに人生を奪われてしまいそうだった時に、リハビリ施設へ入所するところから始まる。「彼は私たちのナレーターであり、様々なことを思い出しながら、僕たちにそれを教えてくれた」と、フレッチャーは語る。「彼は悪魔と戦いながら、暗闇の中でもう一度光を見ようともがいていたんだ。それはエモーショナルな楽曲や、彼の振る舞いを想像する際に役立った。そしてとても興味深かったことは、僕は当時の出来事について、覚えている限りの起きたことを人に話すことはできるけれど、その思い出自身が、僕が感じたことのように色づいたことなんだ」

Translated by Leyna Shibuya

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