2019年のホープ、miletが一人にこだわる理由「孤独を知らない音楽は信用できない」

milet(Courtesy of SME Records)

今年3月に発表したデビュー作『inside you EP』でオリコン週間デジタルアルバムランキング初登場1位に輝いた、milet(ミレイ)が、短いスパンで2作目となる『Wonderland EP』をリリースした。本作には、『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲』『河童のクゥと夏休み』などで知られるアニメ監督・原恵一の最新作『バースデー・ワンダーランド』のメインテーマ「THE SHOW」と挿入歌「Wonderland」を軸に、バリエーションに富んだ全5曲が収録されている。

2018年に音楽活動をスタートさせたmiletは、ハスキーで表情豊かな歌声と、日本語と英語がフラットに共存するグローバルな音楽性を武器に、本格派のシンガーソングライターとして支持を集めてきた。同年10月に開催されたイヴ・サンローランのグローバルイベントに大抜擢されると、デビュー曲「inside you」は、Perfumeや星野源のMVでも知られる映像作家の関和亮が監督したドラマ『スキャンダル専門弁護士 QUEEN』のオープニングテーマに起用され、11もの音楽配信サイトで初登場1位を獲得。新人離れした実績とタイアップの巡り合わせにも、ライトリスナーから大物クリエイターまで虜にするアーティストとしての凄みが窺えるだろう。

このインタビューで彼女は、「一人でいること」について何度も語っている。内気で孤独を愛する少女は、どのように音楽と出会い、アーティストとしての自信を手にしたのか。彼女のバックグラウンドを今一度掘り下げつつ、『Wonderland EP』の制作背景について語ってもらった。


―少し前に、「自分で選んだとおもうか、やらされたとおもうか。逃げだとおもうか、方向転換だとおもうか。考え方を変えるだけで自分を救えたり。した。何度も」とツイートしていたのが気になったんですよね。

とある仕事で難しいことがあって、逃げたいなって思ったんです。で、それを“逃げ”と思ったらそこまでだけど、“方向転換”だと思えば新しいアイディアに繋がったりもするんですよね。逃げてると思うとネガティブな気持ちになるけど、これは方向を変えただけで、もっとベストな選択肢があると信じて進めば、考え方もおのずとポジティブになる。昔から逃げたいと思うことが多い人生だったので、こういうことを自分に言い聞かせてきたんです。その精神を改めて自分に叩き込むつもりでツイートしました(笑)。

―逃げたいと思うことが多い人生って、いったいどんな人生だったんですか?

私はもともと一人が好きで。小学生の頃から集団行動にうまく馴染めなかったし、中学・高校はカナダに留学していたんですけど、そこでも環境的に溶け込めず、逃げたいという思いが常にあったんですよね。でもそこで、お母さんが「逃げていいよ」と言ってくれて。やりたくないならやらなくていいし、別に死なないから大丈夫って。何事も気の持ちようだなって、そこから考えるようになりました。

―素敵なお母さんですね。

そうですね。正直、引きこもってた時期もあるんですけど、無理に外へ引きずり出そうともしなかったですし。


今年3月にBillboard-Live TOKYOで開催された、メジャーデビュー後初のライブ「SPECIAL SHOW CASE Vol.1」の模様

―カナダで過ごした時間は、miletさんのパーソナリティーを形成するうえでも大きかった?

かなり大きかったです。私は人前に立つのが得意じゃないし、積極的に誰かと接するようなタイプではないけど、カナダのような国だと、自分の意見を積極的にアピールしないと理解してもらえないんですよね。自分から輪に入っていこうとしないと、いつの間にか孤立して取り残されちゃったりして。もちろん、英語の勉強もしましたけど、人との接し方について学んだことが一番大きかったです。

―向こうで暮らしていたときは、どんな音楽をよく聴いていたんですか?

私がカナダに住み始めたのが、ちょうどジャスティン・ビーバーがデビューした時期で。カナダ出身というのもあって、「ベイビー」が一日中流れてました。あとは、『アメリカン・アイドル』みたいな番組が今よりずっと流行っていて。英語もわからずにテレビを観ながら、「海外はやっぱり違うなー」と驚かされましたね。アマチュアの方が出演しているのに、こんなに上手くてどうなっちゃってるのって(笑)。

―オーディション番組にカルチャーショックを受けたと(笑)。

でも、流行りの音楽はそんなに聴かなくて。それよりも、たまたまラジオで知ったジャミロクワイやマドンナとか、ちょっと昔にタイムスリップするような感覚で、ツボなのがあったらずっと聴き続けていましたね。ポップス自体そんなに聴いてこなかったので、カナダでひたすら洋楽のポップスが流れているのは、新しい音楽に囲まれているみたいで楽しかったです。

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