「あいつを壊す」と語ったカルト集団指導者、女性差別の実態を元側近が証言

NYのブルックリン連邦裁判所にて、公判1週目のキース・ラニエール被告。(Photo by Elizabeth Williams/REX/Shutterstock)



2013年、ラニエール被告はSOPに新設した「SOPコンプリート」というセミナーをネクセウムの女性メンバーにも開放することにした。ヴィンセント氏は当初女性の受け入れに「懸念を抱いていた」が、ネクセウムの女性幹部メンバーからセミナーを受講したいと言われ、やがて態度を軟化させたと証言した。

だが、そうした懸念はのちに正しかったことがわかる。ラニエール被告はネクセウムのメンバーをSOPコンプリートに引き入れ、ネクセウムの主たる教義、つまり女性は「しつけが欠けていて」「甘やかされ」「利益を得るために自分たちの性を悪用している」と説いた、とヴィンセント氏は証言した。被告本人が取り仕切っていたこのセミナーの目的は、女性に「少年として男性社会を疑似体験してもらう」ことだったが、本質的には女性が成長して自らの行動に責任が持てるようになるまで、バカにしたり苛めたりすることだった。「彼女たちの自分探しに手を差し伸べてやろう。俺たちが味わってきたのと同じやり方で、彼女たちを追い込むのだ」というラニエール被告の言葉をヴィンセント氏は振り返った。

ヴィンセント氏の証言によれば、SOPコンプリートは学術的なセミナーというよりは「ブートキャンプに近い形で行われた」。SOPコンプリートのインストラクターは、たとえばメンバーが間違った言動をしたときには「ペナルティ」として肘立て伏せやウォールシット(壁に背をつけてスクワットの姿勢を保つ運動)をやらせるなど、しごきや軍隊式のトレーニングを取り入れたほか、妖精の羽などの小道具を使って女性メンバーに屈辱を与え、従属させていたという。

ヴィンセント氏によると、シーグラム社の後継者で当時ネクセウムの中核メンバーだったとみられる女性資産家のクレア・ブロンフマン被告は、あるとき「態度が横柄」だというので男性用のスポーツ用下着を渡されたという。ラニエール被告は男性メンバーに対し、もし女性が挑発的な服装をしていたら、写真に撮ってスライドショーを作り、恥をかかせるようにと指示していた。

ヴィンセント氏自身はSOPコンプリートに疑問を抱き、彼の妻もグループへの疑念を口にしていたと証言したが、にもかかわらずグループには参加し続けた。「いくらか気にはなりましたが、女性たちはもっと強くなりたがっていると思っていましたし、これが何かしら助けになるのだろうと思っていました」 だがほどなく、グループの目的は「女性を男性に従属させ、どんなことにも服従させること」だと気づいたという。

Translated by Akiko Kato

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