全米でブリトニー・スピアーズの「解放運動(#FreeBritney)」がヒートアップする理由

このエピソードに対する反応は?

一連の騒動は、ブリトニーのファンダムに分裂を引き起こしただけれなく、大衆による抗議も殺到した。Gray氏は、「私たちは、それが大きな爆弾になると知っていました」と語る。「 多くの人々は、一連の流れを見守ってきました。人々はまだ自分たちは伝えられていないけれど、裏で起きている内容について、大きなショックを受けることは無為だと思います。それこそが、この現象が速く大きく広まっていく原因の一つでしょう」

インターネット上では、ハッシュタグ#FreeBritneyがかなりの勢いで広まっており、TwitterとInstagramのプロフィールアイコンを、当該タグの入ったピンク色の動画に設定するファンが続出している。ブリトニーの母親であり、Jamie Spears氏の元妻であるLynne Spears氏も、#FreeBritneyのついた複数の投稿にいいね!をつけており、さらにファンによる「あなたが、この後見人の問題を終わらせ、ブリトニーをサポートしてくれることを望んでいます。あなたの病んだ元夫が、あなたの娘を、彼女の同意なくどこか離れた場所へ縛り付けて欲しくありません」と言ったコメントにもいいね!をつけた。Lynne Spears氏は 2002年にJamie Spears氏と離婚し、2010年に双方は和解をしたが、母親が娘の後見人についたことはこれまでに一度もない。

「Lynneは、ブリトニーについて記した本を2008年に出版しました。その中で、Jamie Spearsについて、彼の行動にはかなりの問題があったことを明かしています」と、Barker氏は言う。『Through the storm』と言うタイトルで世に出されたその作品の中には、かつてのスピアーズ家の女性の視点から、[元]夫のアルコール依存症や、家族としての機能が不全であったことなどが描かれている。「Lynneがそれについて語るのは、その時が最後でした」と、Barker氏は付け加えた。

こうした経緯もあり、ブリトニーを支援する者も日に日に増している。『ル・ポールのドラァグ・レース』の競争者であるDerrick Barry(ブリトニーのコピーでおなじみの彼だ)や、Shea Couléeもまた、ブリトニーのサポートを表明。Couléeはまた、ブリトニーの疑惑の精神療養施設入所に関するコメントが、彼女のInstagram上から削除されたことを指摘した。ブリトニーの「メイク・ミーfeat.Gイージー」のMVに関して、そのお蔵入り作品の一部がリークしてしまった際、ディレクターのDavid LaChapelle氏(彼は、ブリトニーがローリングストーン誌の巻頭に初登場した際、撮影を担当した人物でもある)は、ファンのInstagramのページに、彼女が精神療養施設に入所している間にその映像がリークしたことは非常に疑わしい事実であるとコメント。また彼は撮影中、何かがおかしいと感じた、とも明かしている。ブリトニーがMVの撮影時に出したリクエストが、彼女が檻の中に閉じ込められていること、のみだったからだ。そしてマイリー・サイラスもまた、5月4日にメンフィスで行われた自身のコンサートにおいて、ヒット曲「パーティー・イン・ザ・U.S.A.」を歌唱中、ステージ上で「フリーブリトニー!」と声高らかに宣言したことが話題となっている。

#FREEBRITNEYのエピソードがPodcastで配信され、その中で触れられた事実が世に公表されてから、「エンタメ業界に身を置く多くの人々が、私たちと接触を図ってきます」と、Barker氏は言う。「皆さんは、そこにトラブルがあったと認識していましたが、それを言うことで、自身の仕事に悪い影響が起こることを心配していたようです。しかし、今はその情報を我々に共有しようと、連絡をしてきてくれます」

Translated by Leyna Shibuya

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