[ALEXANDROS]の参謀役、磯部寛之「根源は夢であり、気持ちが大事」

[ALEXANDROS]磯部寛之(Photo by OGATA for Rolling Stone Japan)



創造力が放たれる環境でのレコーディング

ー新作のアルバムはニューヨークで録音されましたが、行ってみていかがでしたか?


めっちゃ楽しかったですよ。日本に帰ってくるのが面倒くさくなっちゃって。このままニューヨークでいいやって思ってました。

ー住みたいなと思いました?

住みたいです。俺、もともとは西海岸出身なんですよ。だから最初に行くときは「えー東海岸? 西でしょ」って思ったんです。ちょっと悔しいんですけど、めっちゃ良かったですね。空気感がそもそもいいし、建物が本当に違いますし。人種のるつぼ、それは西海岸のロサンゼルスもそうだったんですけど、ニューヨークはさらに街もギュッとしてるから、人との距離も近いような気がしますし。ニューヨークの人たちはもともと、いろんな人種がいる中で育っているので。そういう意味ではすごく受け入れられやすいし、こっちもオープンになれるような空気がありますね。

ーニューヨークで録って良かったと思う部分はどういうところですか?

創造できたところですかね。創造力がすごく放たれる環境の中でのレコーディングって音にも現れると思うんです。エンジニアさんもアメリカ人らしいノリで、日本ではこんなにきっちりするのに、こんなに適当でいいんだとか。逆にここはこだわるんだっていうのもすごく面白かったですし。

ー例えばどういうところですか?

ドラムのテイクとかですね。

ーちゃんともう1回やって、みたいな。

そうなんですよ。あとはコーラスもそうかな。めっちゃ歌ったし。テイク数をとらせるんですよ。オッケー! 録れた!って思っても、「オッケー、ナイスだぜ、最高だぜ。じゃあ、もう1回やってみよう」って。終わりじゃねえのかよって。

ー出来上がったものを聴くと、やっぱりそれで合っていたんだなって思いますか?

良かったと思います。あと、何回も弾いていく中でフレーズが馴染んでくる、弾けば弾くほど馴染むし新しいアイデアが浮かんだりするので、結果的にはすごく楽しいし良かったなって。刺激的っていうのが1番大きいですね。人間は慣れる生き物なので。例えば3年とか5年ニューヨークに住んでいたら、東京でレコーディングしたくなるかもしれないし。その程度のノリでいいと思うんですけどね。ロンドンでもやってみたいしLAでもやってみたいし、今後いろいろまた話していくと思うんですけど。

ー新作について、ご自身のベース・プレイで特に気に入っている部分や昔だったらできなかったように感じる部分ってありますか?

本当に思いつきのベースなので。テクニックの部分ではそんなに俺は……。まあ上達はしてるんでしょうけど、テクニックをバキバキ練習してるぜ、でやったことはないので。だからフレーズの難しさはそんなに昔とは変わっていないと思うんですけど、気に入っているのは「LAST MINUTE」ですね。あのベースラインは好きですね。昔、向こうのプロデューサーにデモを聴かせたときに、「このベースは誰が弾いてるんだ?」ってすごく反応が良くて。自信にもなったっていう。


Photo by OGATA for Rolling Stone Japan

ー昔、ゴッチさん(後藤正文)が言ってたのかな、海外でいいと思うところはめっちゃ褒めることって。

本当にそうだと思います。日本語で言うとこっぱずかしいくらい褒めるんですけど、英語というカルチャーだとすごく自然だから受け入れられる。

ーそういうことでのびのびしてる部分もあったんでしょうね。

そうですね。もともと俺、10代の頃に向こうで育ったというのもあるかもしれないけど、心地がいいというか居心地がいいです。変な気づかいとかないし。日本のワビサビというか、気をつかい合う繊細な文化も俺はすごく好きなんですけど、まったく違う良さがあって。

ー今回の収録曲、例えば「Mosquito Bite」で気に入っている部分ってあります? ご自身のフレーズでもそれ以外でも。

そうですね、まずはリフがめちゃくちゃカッコいい。最初に聴いたときから、これはスタジアムみたいな場所で鳴らしたら超カッコいいだろうなって。すごく期待に胸が膨らむリフだし。あとは、弾きたくなるリフかなって。決して難しいリフじゃないんですけど、簡単でなおかつキャッチーで、弾きたくなるっていうのは名曲あるあるなので。

ー真似して弾けるのはいい曲っていうのはありますよね。「明日、また」はどうですか?

メロディを前面に押し出した、すごく大きな曲だと思いますね。パーカッションも入っていてグルーヴィな側面もあるんですけど。

ーグルーヴィな「明日、また」に関して、どのように弾こうと心がけたんでしょうか。

できるだけシンプルにですね。上物としてシーケンスが乗っかってきたりするので、ベースは本当に支える。だから1番もほとんど白玉というか全音。2番はちょっと動きをつけて。でも、サビは8分で刻んでいるノリをずっとキープしています。そこは変わった部分の一つかもしれない。昔はフレージングが多いベースラインだったんですよ。わりと動いてるし。最近はもっとどっしり構えて、上にみんなを乗せてあげようっていう曲が多いですね。スパークする曲はするんですけど。だから4人だけで音を出していた時代の、エッジの効いたアレンジがすべてだったっていうときより……今もそういう曲はあるけど、後ろの上の幅が広がったような気がするんです。シーケンスがたくさん乗って、大きく見せようってこともできるようになったので。ベースの役割もやっぱり変わりますね。

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