ウッドストック50周年フェス中止を巡り、主催者と電通がドロ沼化

一方、ラングの書簡は次のように続く。「同時に、電通がウッドストック・フェスティバルのスポンサーシップ販売に失敗にしたため、私たち主催者側はキャッシュフローの問題に直面していた。この不足分を埋めるために、当方は補完資金を得ようと努めており、その過程で得た反応はこのフェスティバルの成功を確信し得るものであった。この事実も貴社の人々に伝えてきた。また、このフェスティバルの経済状況を改善するために、会場のバリュー・エンジニアリングも行ってきた。2019年4月26日の金曜日までに、薄利を生むと思われる複数の計画を提示し、補助資料によってこれらの計画を実証した。しかし、当方に理由が一切説明されないまま、無視されてしまったようだ」

4月29日月曜日に、電通の首脳陣から「電通が(実際は法的根拠がないにもかかわらず)フェスティバルの支配権を握っている」という通知が届いたと、ラングは主張する。それから少しして電通がイベントのキャンセルに関する説明を行ったと言う。ラングの言葉を借りれば「彼らにはそれが可能な法的権利はない」ということだ。そして、今回の問題を悪化させた原因は、電通が「私やこちらのスタッフに事前の告知をせずにメディアに中止を発表した」ことだと、ラングは主張している。

さらに、「一つのグループとして米国東部夏時間12時に全員で会議している最中に、メディアはウッドストックの中止を報道し始めた。そのとき、アンプリファイがフェスティバルの銀行口座から約1700万ドルを違法に引き揚げたことを知り、これによってフェスティバルは危機的状況に陥れられた。貴社が行った一連の所業は、貴社とパートナーシップを結ぶ段階で私が覚えた不安を最悪の形で実証した。これらの所業は違法であり、高潔さのないビジネス手法である」とラングは述べている。

ラングは証拠も持っていると言う。フェスティバル中止の発表後、電通は「会場のワトキンスグレン・インターナショナル、保険会社、プロデューサー、ヴェンダー、パフォーマー(ラッキーなことに何人かは私の友人なので直接連絡できるが)を含む利害関係者全員に直接連絡して、私とビジネスを行わないように提案し、彼らと私の会社との契約を侵害した」というのがラングの主張だ。さらにラングは、電通がイベント運営を担当する2020年夏の東京オリンピックへの参加を望むのであればウッドストックから手を引くことを、電通の代理人たちが出演者たちに助言したとも言っている。現時点では電通がアーティスト、利害関係者、その他のウッドストック50関係者に直接連絡した確認が取れていない。

また、ローリングストーン誌が電通の代理人にコメントを求めたが、返事はまだない。

Translated by Miki Nakayama

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